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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯5 おとめの――
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探している

ぱくさん――私は夜音よねさがしに学園がくえんまで来たの。何処どこか夜音がる所に心当たりは無い?」


「――八乙女やおとめさんは、何故なぜ夜音を探しているの?」


「何故って――」


 たまきが、女性じょせい解放かいほう戦線せんせんが探していたから。見つけないと『女性街じょせいがい』へはいれないから――それに、夜音が居ないと魔法まほうが使えない。


 いや、そもそも私は魔法が使えない。それは夜音が居ても変わらない。なら何故夜音を探すのか。


『女性街』へ行き『オズ』への手掛てがかりを探すため――しかし、その事に夜音は関係かんけいの無い事。


 私一人では『女性街』へは入れないから――違う。私はただ一人で行く事がこわく、夜音を…。


「はぁ~。そんなに考える事では無いわ――夜音なら多分たぶん『女性街』に居る」


「えっ!でも、女性解放戦線が探しているって――」


「――なら、幹部達かんぶたちも知らされていないようね。きっと二代目にだいめ一緒いっしょに居る」


「何故分かるの?」


「彼女の居そうな場所をすべて探し、このまちの探していない場所はそこだけだからよ」


 朴さんは今でも夜音を監視かんししているのか?でなくては、それは――。


 しかし、私以上に夜音を心配しんぱいしているのだろう。


「――『女性街』は探さないの?」


「私は、もうあの場所へは行かないわ。『あたらしい太陽たいよう』ともえんる――私が女性じょせい解放かいほう運動うんどう参加さんかしたのは、雷鳥らいちょう先生せんせいしたっての事だったのだから。それに、今はそばに居てあげたい」


 こんな事になり、きっと憔悴しょうすいしきっているに違いない。


 それで朴さんははなれられなくて――夜音は一体何を考えているのか。お婆様ばあさまに心配ばかりかけて。


 それに、雷鳥先生を慕っているのは朴さんだけではないはずだ。


 きっと学園の生徒達も心配しているだろう――もと々は彼女を慕い、女性解放戦線の人達は集まったに違いないのだから、何時いつかは朴さんの様に戻って来るだろう。


 それほどの人物になのだから。


 私も一度(じか)に会ってみたいものだ。雷鳥と呼ばれる人物に――。


「そういえば、思い出したわ。また会えるなんて思ってもみなかったから忘れていた――彼女、ゲーテさんだった人から言伝ことづてあずかっていたわ」


 だった?――。


「言伝はこう――『私の走馬灯そうまとうを見たのでしょう。もしおぼえているのなら、前に話した日記にっきを探しなさい。貴女きじょならそのが解る筈。誰よりも先に見付けなさい。きっとやくに立つ』と、言っていたわ」


「日記――」


 魔女まじょについて書かれていた日記――たしかにその話は聞いたが、私の見た走馬灯では日記なんて出て来なかった。


 それに在り処が解るならとっくに見つけているのだが。


 彼女の話では確か、六鳴館ろくめいかん地下ちかかく部屋べやで見つけたと。


 そしてその部屋にめられ――まさか、そこにるのか?


「日記って何の事?――まぁ、聞きはしないけど。なつかしいわね、私も隠していたわ。『乙女おとめ画報がほう』を」


 『乙女画報』――そういえば、そんなものも走馬灯で見た様な…。


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