表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
101/131

我を――

 またも魔法まほうだろう、何もない所からきゅうに、私達の目の前に夜音よねあらわれた。


 今度は本物だろうが、意識いしきうしなっている夜音はその場にたおれていた。


「夜音!夜音――夜音?」


 私は近寄ちかより、夜音をきかかえけたが反応はんのうが無い。


 まるで死んでいるかのような。


「今度のは本物よ。もっとも、心臓しんぞうは止まっているけど――」


 その言葉に私は、われうしないそうになった。その時だった――。


 パーーンッ!


 と、破裂音はれつおんひびき、それはゲーテさんがにぎっていたものからだった。


 彼女はそれを、道化師どうけしの彼女にけ使った。


 しかし、不思議ふしぎなことに、その場に倒れたのはゲーテさんの方だった。


「――スト」


 わけが分からない――夜音はピクリとも動かず、呼吸こきゅうをしていない。


 倒れたゲーテさんも動く気配けはいが無い。


 一体何がこったの…。


魔女まじょじゅうやくに立たないって――学習がくしゅうしないな」


「…夜音とゲーテさんに何をしたの?」


たまねっかえしただけよ。そっちは、うるさいから、仮死かし状態じょうたいに――貴女きじょは気が付かなかっただろうけど、彼女はずっとここにたのよ。変身もバレたし、少しねむってもらったわ」


 仮死状態。夜音はまだ生きているということ?


 魔法まほうによってそうなっているなら、それをく方法があるはず


 ゲーテさんはどうなんだ、まだ生きているのか?魔女であって魔女でない彼女ならあるいは――。


「…なら、どちらもまだ生きているのね?」


『!?こいつ、言葉を――』


「二人をなおして。貴女ならそれが出来るのでしょう」


「そっちは魔女の体だろ。死なないよ――それにいいのか?せっかく元に戻ったのに。ついでに、このまま死んでくれた方が私も助かる。私達がしいのは、本物の魔女だからな」


「誰が貴女なんかと行くもんですか――夜音をもともどして」


 ん?ちょっと待って。なんで私、彼女と話をしているの?


 私、魔女語を話しているの?――まさか、戻ったというの?魔法が。でも夜音はまだ生きている筈。どうして。


 魔法が戻ったという事は、私は今魔法が使えるということ。


 だとしたら、何とか夜音を元に戻すことさえ出来ればげられるかも。


 問題はゲーテさんが動けるかどうか。


 私は、夜音をそっと下ろし、ゲーテさんへ近寄り、彼女を抱え上げた。


「ゲーテさん大丈夫?生きてる?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ