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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
100/131

不完全

「!?――なるほど、違和感いわかんはその所為せいね…」


「彼女は夜音よねじゃない、別人べつじんね?夜音は一体いったい何処どこるの?――ゲーテさん、やくして」


「――どうしてそう思う?」


「――彼女は、私の言葉に反応はんのうすらしなかった。いや、反応出来なかった。この国の言葉を話せないから。それに、あんなことを言われたら、夜音ならおこはずだわ」


「――なるほど、一杯いっぱいわされたわけか…。バレちゃ仕方しかたない。おさっしのとおり彼女は夜音じゃない。もういいよ、もともどって」


 そういうと、道化師どうけしの彼女は、偽物にせものの夜音をしばっていたひもいた――。


 魔法まほうだろう、偽物は一瞬いっしゅんのうちに姿すがたが変わり、本来ほんらいの姿に戻った。


 その正体しょうたいは夜音がつかまった時に、道化師と一緒いっしょり、頭巾ずきんかぶっていた人物だった。


 今も頭巾を被り、その所為で顔は見えないがおそらく魔女だろう。魔法で夜音にけていたのだ。


「もう行っていいよ、シーリーン」


 呆気あっけに取られ、動けず仕舞じまいだった。


 頭巾の魔女は、正体をあらわすやいなや、現れた時の様に一瞬で消えてしまった。


「よく見破みやぶったね。それでも、り出しに戻っただけだが。どうする?魔法も使えないのだろう?」


「――ゲーテさん。彼女に私と夜音の体の事、魔法の事を話して。私達の事を知ればもしかしたら…」


 夜音に魔法だけがうつり、私は魔女の血だけがのこった事を、ゲーテさんに話してもらった。


 こんな話をして何かが変わるとは思えないし、夜音が助かるとも思えなかった。


 しかし、彼女達がもとめているものを私達は持っていないことを教え、彼女の知っていることを聞きだしたかったのだ。


「――なるほど、何らかの魔法が不完全ふかんぜんにかかっていると。その所為せいで魔法をうしない、魔女の血がまだ貴女きじょながれ続けている。不完全(ゆえ)ただ魔法だけが使えなくなった。このままだと貴女は、魔力をいずれ彼女に使つかくされ、死ぬことも出来なくなるな。もの同士どうしだな、あんた


 使い尽くされ?それって夜音に、って事?それじゃあ、今はまだ――。


「――何かなおす方法は無いの?」


簡単かんたんだな。魔法が不完全な今、お前は死ねない。なら、殺すしかない。このお友達を――」


「夜音!」


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