インターミッション 本作の世界観8 ー 衣服 男性編 ー
話中に登場する服飾についてのお話が続きます。
男性用のチュニック:Tunic, Tunica(lat.)も長袖&膝丈のコッテ:Cote, Cotteで、鎖帷子の下に着るクッションがキルティング加工されたものが普及したようです。鎖帷子は斬撃には強いが鋭いものでの突きや矢に弱く、まだ打撃にも無力ですから、下に衝撃吸収と耐突刺のファブリック防具と組み合わされたわけですが、防寒にも有効だったことから武装としてでなく、一般衣服として広まりました。
シュルコー(男物)も陣羽織としてでなく、平時にも着られるようになっていきます。
タバアド:Tabardも似ていますが、丈が短く脇が全開の上っ張りです。
女性と違って、男性は下にモモヒキ:Braiesを穿きますが、その上に長靴下ショース:Chaussesまたはホーズ:Hoseを穿いて、Braiesのイージーパンツみたいな腰紐部分から吊るします。
しかし武装が鎖帷子中心の時代からプレートアーマーの時代になると、鎧の丈が短くなるごとに鎧下のファブリック防具も短くなり、ジャック:Jaque、要するにヤッケやジャケットの仲間が生まれます。
Houketon,とかDoubletという名が付くのは若干後の時代ですが実質は似たようなもの。ショースもジャックから吊るようになります。かがむとパンツが見えるのは格好悪いと意識されたようで、ショースが長くなっていき、ついに左右が繋がってズボンになります。正面に社会の窓が全開するので股袋というボディバッグを付けたわけですね。
ジャーキン:Jerkin, Lerkinは16世紀の革ベストですが、シェークスピアがハル王子あたりに着せているうちはよかったのですが「トロイラスとクレシダ」でトロイ戦争時代の人に着せちゃったので、紀元前から有った事になります。本作中でもアナクロ衣装で猫が着てます。
Sachsenspiegelにはマンガ版がありまして、ハイデルベルグ大の電子図書館で古写本の綺麗な画像が見られます。リアル中世(13世紀)の色々な階層の男女の服装がわかり、面白いです。




