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05:悪友と私は今日もやりたい放題です

取りあえず、シリーズはこれで終わりです。

読んで頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

 再び、以前の様な学園生活が戻った。


 一時期、リヒトの馬鹿がリルちゃんを部屋に閉じ込めて外に出さないとか病んだことを言っていたが、ミミちゃんと協力してリルちゃんを登校させることに成功した。


「ミミちゃん、食事の時間よ~」


 そろそろ私の血を飲ませないと、あの子の体が持たない。

 ミミちゃんは自分からそういうことを言い出さない子なので、こちらが気をつけないといけないのだ。

 昨日の夜に学園の外で狩りをして来たところなので、私の体には血が満ち溢れている。

 ……たくさん飲んでいいからね?


 教室に彼女を迎えにいくと、リヒトも来ていた。

 でも、何だか揉めている?


「ふふふ、良いんだよ?俺はここでしても……見られるのも良いよね?」

「こっ……こんな皆のいる場所で……出来ない……」


 ああ、どこで食事するか揉めているのね。


 学園の生徒はもう全員私達と同じか、元が人間でも吸血鬼化している隷属の子ばかりだ。

 誰の前でもお構いなく食事する子もいるけれど……ミミちゃんも食事を見られたくないタイプなのよね。

 人間性が抜けきらない子程、人前での吸血行為に抵抗があるのだ。


「じゃあ、仕方ないね?……はい」


 リヒトは手を広げた…………何やっているの? あの馬鹿は。


「……っ……」


 リルちゃんは、真っ赤になってリヒトに近づくと、彼の首に手を回した。

 満足げに微笑んだリヒトは彼女を抱き上げ、教室の外へ連れ出す…………あ、目が合った。


「……お先……」


 そう言うとリヒトは颯爽と歩いていってしまった。


 あ、ミミちゃんがトコトコ歩いて来たわ……可愛い!


「ユンナ様ぁ……」

「良い子ね、外でお食事しましょう?」

「……はい」


 ミミちゃんを連れ出して、談話室の個室に入る。

 この学園には、生徒用の個室がたくさんある。

 もちろん、こういう食事に使うためだ。

 この時間、生徒会室はリヒトが使っているはずだから、今日は談話室に来てみた。


「会長ったら、ひどいんです」


 部屋に入るなり、ミミちゃんが言った。


「あら、いきなりどうしたの?」

「さっきあの人、リルに教室での公開吸血か、お姫様抱っこの二択を迫ってたんですよ!」


 けしからん!

 それで、あんなことになっていた訳ね。


 ミミちゃんはリヒトにだけ反抗的だ。私に似てきたのかしら……?




 一年が過ぎて春になった。

 今年もジューシーそうな新入生達が講堂に集まっている……いかん、ヨダレが出て来た。


 とはいっても、私にはミミちゃんがいるから、もう隷属はいらない。

 ……二人もいたら、血が足りなくなるわ。


 ミミちゃんとリルちゃんは二年生になった。

 人数が減ってしまったので、今や彼女達の学年は十五人程度だ。


 リヒトと私は相変わらず生徒会長と副会長をやっている。

 目下の二人の心配事は、可愛い隷属達が新入生をつまみ食いしないかということだ。


 今は職権を乱用し、可愛いミミちゃん達を生徒会秘書として隣に座らせている。

 リヒトと相談して決めた監視方法だ。


 もし、ミミちゃんが新入生の男を隷属になんてしたら…………嫌ぁぁぁぁーっ!

 ……耐えられないっ!!!


「リル……もし、つまみ食いなんてしたら、どうなるか……分かっているよね?」


 隣でリヒトがリルちゃんを脅している。相変わらずの外道!

 ……でも、気持ちは分かるから止めないわ。


 私は外道ではないので優しくミミちゃんを諭す。


「ミミちゃんも、お腹壊すといけないから、つまみ食いはやめましょうね」

「大丈夫ですよ、ユンナ様!……私、絶対に新入生を襲ったりしません!」


 ……ああ、なんて良い子なの!頼もしいわ!


 私の学園生活は今後、ますます楽しくなりそうだ。



 ――END――


小話や、生徒会の他のメンバーの話も機会があれば書いてみたいです。

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