【01】 住民課長との対決
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【あらまし】
(市役所住民課で上司と対立!
最後スカットしたい方にお勧め)
美浦市役所住民課の丹沢純也は、ボートレーサー
速水爽香の転入届を受理した。数日後、市役所から
爽香宛に郵便を送付すると
『あて所に尋ねあたりません』と戻ってきた。
住民課長
「虚偽の転入届を受付した責任を取って退職願を出せ!」
丹沢「速水爽香が住んで居なかったら、退職願を出します」
丹沢は速水爽香が住所登録した共同住宅
『ハッピーハイツ203号室』へ現地調査をしに行くが、
表札も無ければ本人の姿も無かった。
しかし、同期入所の税務課由利源吾のお陰で
ボートレースに出場している爽香を発見した。
そのことを課長に報告すると、
課長「ボートレース場に居たからと言って
『美浦市美女来9丁目』に住んでいるとは限らんだろう」
課長「速水爽香の部屋に行って、もし、
速水爽香が居なかったら戸部、お前も同罪で退
職願を出してもらうからな!」と、言い出した。
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【登場人物】
速水爽香 20歳女
新人ボートレーサー 福島県から引っ越して来た
若石元気 26歳男
戸籍担当、若手職員 若さがあり強気の青年
丹沢純也30歳男
窓口担当、中堅職員 主人公、単純な人間
明石春菜 34歳女
窓口担当、中堅職員 面白い所がある
天満稔江 37歳女
庶務担当、ベテラン 天然の所がある
戸部考一 40歳男
戸籍担当、ベテラン 経験豊富で思慮深い
君本早苗 40歳女
郵送担当、ベテラン 仕事に精通している
鬼塚厳司 55歳男
住民課長 職員を減らそうとしている
公家民夫(くげ ・ たみお) 40歳男
美浦市美女来公民館職員
市原和子 70歳女
ハッピーハイツ、速水爽香の隣の住人
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【前書き】
●この小説には多くの数字が出てきます。
そこで読者の皆様が読み易いように横書きとなっております
●多人数での会話も多いことから、誰が話しているのか、
すぐにわかるよう会話の頭に台本形式で、
氏または名を付けて表現しました
●この物語はフィクションです。実在の個人・団体、
実際のレースとは一切関係ありません。
ボートレーサーと市役所職員をモデルに、
フィクションとして制作されたものです
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月曜日の朝、美浦市役所住民課。
丹沢が住民課長の席へ歩み寄った。
丹沢はこれで課長の鼻を明かせると思い、
強気に言った。
丹沢「速水爽香が見つかりました!」
課長「速水爽香は、どこにいたんだ」
丹沢「『ボートレース戸田』に居ました」
課長「『ボートレース戸田』で見たのか?」
丹沢「はい、そうです」
課長「速水爽香は
ボートレース場を歩いていたのか?」
丹沢「いえ」
課長「じゃぁ、何をしていたんだ?」
丹沢「ボートレースの選手でした」
課長「嘘言うんじゃない」
丹沢「本当なんです。この目で見たんです」
課長「辞めたくないからって、
とうとうそんな嘘までつくようになったんだ。
この大馬鹿者めが!!」
丹沢は自席に戻ると、
机の引き出しから
日曜日のボートレース専門紙を手に取り、
再び課長の席へと歩み寄った。
丹沢「これを見てください!
これが証拠です!」
課長は、ゆっくりと
ボートレース専門紙に目をやった。
課長「なるほど、お前の言うとおり
『速水爽香』と書いてあるな」
丹沢の口元が少し緩んだ。
課長「しかし丹沢、お前は面白いことを言うな。
そんなことをわざわざ私に言いに来るから、
お前は仕事が出来ないと言うんだよ」
丹沢「えっ、なんでですか?」
課長「このボートレース専門紙のどこに
速水爽香の住所が書いてあるんだ?」
課長が机を軽く叩きながら言った。
課長「えっ! いったいどこに、
速水爽香の住所が書いてあるんだよ?」
「バン!!!」
課長が思いっ切り机を叩いた。
その音が住民課中に響き渡った。
丹沢「……」
課長「『美女来9丁目』だと、
どこに書いてあるんだよ!!」
課長が、凄い迫力で丹沢に迫った。
丹沢が一歩後ろへたじろいだ。
住民課内がシーンとなった。
丹沢も返す言葉がなかった。
課長「ボートレースひと開催に、
選手は何人来るんだ?」
丹沢「わかりません」
課長「馬鹿か!」
「バン!」課長が机を叩いた。
課長「そんなこともわからないで
報告に来るのか? バカヤロー!」
「バン!」
課長がなお一層強く机を叩いた。
二人の所に戸部考一が歩いてきた。
そして課長に言った。
戸部「ひと開催でボートレーサーは、
50人近く来ます」
課長「じゃぁその50人の住所って
どこなんだ?」
丹沢「……」
課長「住所が書いてない者は全員、
ハッピーハイツに住んでいるのか?」
丹沢「……」
返す言葉がなかった。
丹沢(課長の言うとおりだ。
自分の考えが浅はかだった)
丹沢は黙って下を向いた。




