D-2
Cはいい奴だ。そう気づくのに時間はかからなかった。おれがすっ転んだ時もだせえとか言いながら手を貸してくれたし、あいつのつるはしを勝手に持っていっても笑って許してくれた。
ちょっと驚いた。おれの周りにはそういう奴がいなかったから。
いつの間にか昇っていた月を見ながら休憩する。ブロックは軽いからそんなに疲れてはいないけど。同じ作業を続けてると、他のことをしたくならないか?
ぼーっとしながら空を見上げていると腹が鳴った。
「AとBまだかな…。」
出て行ってから時間が経っているが、大丈夫だろうか。
まあ考えても無駄か、と作業を再開する。
早く3人のためにも家を完成させないと。
「ひとりひとりのへやもいるかな。」
2階の壁を作り終えたらここを4つに区切ろう。廊下は1本だけで済むから…。
それにしても暗いな。もう少し明るかったらやりやすいんだけど。
少ししてからドアの開く音がした。
「おかえり。」
「おう。今度はちゃんと持ち帰ってきたぞ。」
Cが嬉しそうにバッグの中身を見せてくれた。
最初に石炭が出てきた。こういうのもあるんだな。それから金やダイヤなんかも。何かに使えるかな。
「とりあえず火つけようぜ。」
「そだね。かまどにせきたんいれればつくれるって。あとたいまつもつくれるよ。」
さっそくやってみると見違えるほど明るくなった。これは作業しやすい。
もうすぐで完成すると伝えたら、ありがとな、と珍しく素直に返された。明日何か降るかもね。
AとBが帰ってこないので心配だ。あの二人、無事でいるかな。
「「ただいまー!」」
帰ってきた。噂をすれば影。
とにかく無事でよかった。別に死んでも生き返るらしいからいいけど。でも集めたアイテムは全部なくなっちゃうから。
ケガだらけの二人は息を整える。何があったのか聞いたら、変な奴に襲われた!!って。
まあ、食料が無事ならなんでもいいよ。
「お腹すいたー。豚肉いっぱい取ってきたからさ、みんなで食べようぜ!!」
待ってましたとかまどに放り込む。しばらくして色が変わった。焼けたみたい。
一口食べてみるとおいしかった。何もつけてないのに。素材そのものの味っていうのもなかなかいい。
みんな腹が減っていたらしく夢中で肉を食べていた。
空が少し明るくなってきていた。