第23話 アナンダ峰への路
七峰の結界が全て繋がった翌朝。
一行はアナンダ峰へ向かった。
三角形の内側——最も内側にある峰。
「他の峰は全部、外周や境界にあった」ラベルは言った。
「アナンダ峰だけが、内側にある。なぜ?」
「アナンダ峰は——防衛のためではなく、守るもののための結界を張る場所だ」ウィークは言った。
「七峰が外を守り、アナンダ峰が内を守る。この三角形の中に住む者たち、精霊たち、レゾナントたちを——回復と再生の力で守る」
「治癒の結界」ルーナが静かに言った。
「そうだ。最終召喚の時——戦いで傷ついた全員が、この結界の中で力を取り戻せる」
「一番大切な結界かもしれない」セシルが言った。
「最後にここを作るのは——そのためだ」ウィークは言った。
「外の七峰が全て揃ってから、初めてアナンダ峰に意味が生まれる」
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アナンダ峰への道は、不思議と穏やかだった。
七峰の結界が連結されたことで、三角形の内側の空気が変わっていた。精霊たちが落ち着き、風が静かで、光が柔らかい。
「ここは——温かい」カイは言った。
「七つの結界が守っているからだ」ウィークは言った。
「内側の気候そのものが、結界に守られている」
「住める場所になってる」ラベルは周囲を見た。
「レゾナントたちも、ここにいた方が安全だ」
「そうだ。アナンダ結界が完成すれば——この内側が、完全な安全圏になる」
アナンダ峰は——他の峰と違い、岩ではなく、柔らかい緑の土に覆われていた。
「寒冷地なのに——草が生えてる」エラが驚いた。
「七峰の結界が連なってから、急速に変わったのだろう」ウィークは言った。
「土が温かく、精霊が喜んでいる」
「精霊が喜んでいる」ラベルは感じた。
「ここが安全だって——知っている」
「アナンダ峰の精霊は——回復と再生を司る」ウィークは静かに言った。
「しかし彼らは臆病で、安全な場所でなければ現れない」
「七峰が守ってくれたから——ここに来られた、ということか」ルーナが言った。
「そうだ」




