第五十三話 室内
ポセイドンの娘『ロデー』を倒してすぐ、後のことはペンドラゴンに任せて、私とイヤリス大尉はロデーの親であるポセイドンの討伐に向かう。
ペンドラゴンの仲間はロデーによってこの世から肉体ごと消えて死んでいたが、イヤリス大尉の力によって生前の状態で肉体や服や武器までも完全復活させていた。
ついでになんか知らない『魔帝ラストE』とか名乗る変なドクロも復活させていたが、軽く顔面を殴ってまた消滅させた。マジでなんだったのだろう、あのドクロ。
「こ、ここ怖い、ですね」
隣で歩いているイヤリス大尉が怯えている。
「怖い? 何が?」
「い、今がですよ、暗くて不気味で、こ、ここ怖いでしゅ!」
私の腕に掴まり、ぶるぶる怯えるイヤリス大尉。可愛い。
太陽が地に沈み、時刻はもう夜。
私とイヤリス大尉は今、真っ暗な森の中を歩いている。
真っ暗ってのは森全体の意味で、明かりはちゃんとあって、ホロパットから出てきた『擬似蛍光ライト』という丸くて明るい球体を真上に浮かべている。
それでもイヤリス大尉にとってはまだ暗くて怖いらしい。
「ふむ、なら一度ここで休むか?」
そう私が提案すると、イヤリス大尉は余程怖いのかぶんぶん頭を下げて。
「そ、そそそうしましょう!」
と言って、ホロパットを人差し指で何度も操作していた。
「あ、ありました!」
操作が完了したのか、『秘密基地』という文字がホロパットの中から飛び出し立体的に表示される。
「ん、なんだ」
森の周囲にモヤがかかって私の視界は霞に包まれた。
最初敵からの攻撃かと身構えたが、周囲に敵の気配はない。
だから大人しく様子を見ることにした。
するとすぐ、その霧が晴れ――。
「……ここはどこだ?」
気がつけば暗い森にいた私とイヤリス大尉は、見知らぬ部屋の中に立っていた。
ワンピースの映画終了日!
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