いざ、旅立ちの時…の前の準備 六
ひとさまの作品を読んでいると自分のを書く時間なくなっちゃうね(二日ぶり二回目)
「そういや普通石油王が乗るのはタンカーじゃなくて豪華ヨットだよな」
「しかしその手の個人用の船でチヌークが載りそうなサイズの物が沈没してるのか?」
クラの指摘に十三も「ですよねー」と頷く。
「サイズの問題なら豪華客船はどうだ?おそらく沈没している船もあるだろう」
「タイタニックとか有名だもんね」
ゲンの言葉にそう返しながらも「でも」と十三が続ける。
「豪華客船だと部屋数が無駄に多過ぎる。そりゃ将来的には仲間も増えて部屋多い方が良くなるだろうけど、それまでの管理を考えるとねぇ」
十三はアイドルグループを設立したあとにこれからアポートする船を本社ビル代わりにしようと計画しているのだ。
「ではコンテナ船は?」
「積載量は文句なしだろうが、荷物の積み下ろしに港湾施設の整備が必要そうだな」
「クレーンを備え付けた貨物船はチヌークの発着の邪魔になりそうだしね」
ゲンの提案にクラと十三はそれぞれ問題点を指摘する。
「いっそ潜水艦…」
「「いや、それはない!!」」
そしてクラの意見は食い気味に一人と一体に否定された。
「今予定している荷物は基本乗り物だから、自走しての積み下ろしが可能な船が良いんだよなぁ」
「となると自動車運搬船、もしくはカーフェリー辺りか」
「モジュール運搬船もあるな」
「モジュール運搬船っていうとあれか。船とか海上プラットフォームを運ぶ平たいのか」
「確かにあれだと自走しての荷物の積み下ろしは楽そうだな。フラットなスペースが広い分自由度も高そうだ」
「だけど、あの手の船は数多くないしそれこそ沈没してる船があるかな?」
モジュール運搬船の中には荷物の積み込みがしやすいように自ら少し沈むタイプもあるそうだが、いくら神の遺した力とはいえ、その状態ではアポート出来まい。
「そうなるとカーフェリーとか自動車運搬船のようなRORO船が無難だな」
「そうなるか」
よくよく考えてみれば、別にどんな船でも構わないのだ。この島から持ちだそうとする荷物を容易に積み下ろし出来て、チヌークが発着出来れば。そしてRORO船ならその条件を満たすだろうし、運航している数も多い。おそらくいまだ海に沈んでいる船も一隻や二隻じゃなかろう。だったら、RORO船に決めようと十三は決断した。
「よし!じゃあさっそくアポートするか!クラさんゲンさん、九龍玄女像を運んでくれないか?」
食事を終えた十三はシュビムワーゲンに乗り込みつつクラとゲンに指示を出す。
アポートを使うために海と玄女像の両方に触れてないといけないのだが、今からアポートするのは大型船である。港の近くでは座礁とまではいかなくても底を付く可能性もないとは言えない。念の為少し沖に出るのだ。
「この辺りで良いかな?」
ある程度島から離れたところで、十三はシュビムワーゲンを停めた。クラとゲンはそのシュビムワーゲンに並ぶように九龍玄女像を支える。
「さてと…」
腕まくりをした十三は右手を玄女像に添え左手を海に入れ、地球の海に沈んでいるであろうRORO船を探す。
そうすること数分。十三はついに声を上げた。
「よし、キミに決めた!」
明日も定時(五時)は無理でしょう。




