いざ、旅立ちの時…の前の準備 三
「大きいっちゃ大きいけど、三六千点もあればアポート出来るし、それぐらいなら許容範囲内だろ?大は小を兼ねるとも言うしこのままアポートしよう」
「三六千点か。今の神力はおおよそ百八万点。つまり一○八○千点。確かにまだまだ許容範囲か」
「そういうことだ。クラも反対じゃないんだろ?じゃあ、早速アポートするぞ」
十三はそう言って、片手を海に浸けたまま反対側の手で九龍玄女像に触れ集中する。しばらく神力を九龍玄女像から海へと流しているとやがて海面が淡く光り出す。
「よし!出来た」
海水に浸けていた手を引き抜き十三がガッツポーズをする。成功するとは分かっていたが、それでも初めての挑戦だったので無事アポート出来て嬉しいのだ。
「クラさん、ゲンさん、引き揚げてくれないか?」
二体の高クラーゲンが光りが収まった海中を見れば、そこには大きな輸送ヘリが沈んでいた。
「引き揚げるは良いが、ここで良いのか?」
高クラーゲンの二体にかかれば、海中での作業などお手の物である。しかも力もかなりあるので、大型輸送ヘリであるチヌークでも陸に引き揚げること自体は余裕だ。
しかし、実際目にしたチヌークは想像していたよりも大きかった。後で船を用意した際には飛行して積み込む形になると予想されるが、そうなると離陸のための充分なスペースが必要と考えたゲンの指摘であった。
「あっ、言われてみたらそうだな。んー、じゃあ、そっちの広いとこに揚げてもらおうか」
港から少し離れた場所を指し示す。そこならチヌークのタンデムローターを回しても邪魔になる物はなさそうだと、ゲンたちも判断してチヌークを運ぶ。
「じゃ、早速」
と陸揚げされたチヌークを十三がリセットする。
「ヘリかぁ。これはみんな扱い方分かってた方が良さそうだよなー」
「少なくとも儂はメンテナンスをすることになるのだろう?」
「俺が操縦を担当して、十三には石油王の力での攻撃に専念してもらう方が良かろう」
クラはどうしても戦争することを前提にしたいようだ。
「まー、そうなるよねー」
二体の高クラーゲンは十三の魂の兄弟と言っても良い存在だ。その性格形成には多分に十三の影響を受けている。当然、十三と同じようにヘリの操縦に興味があるのだ。
「じゃあ、そういうことで」
と、サイコメトリーを三度行い、アンキトーストを三枚生み出し、それぞれ食べる。
「うん、だいたい操縦方法は理解した。あとは実践あるのみだけど…」
「十三、鉄は熱いうちに打てと言う。早速訓練した方が良かろう」
「儂もそう思う」
「やっぱそうか?それが良さそうだよな」
ヘリの操縦方法を理解した一人と二体は、逸る気持ちを隠そうともせずチヌークに乗り込んだ。
そしてその後は日が暮れるまでわーきゃー騒ぎつつヘリの操縦を楽しんだのであった。
昨日投稿した時「アポート使用時は九龍玄女像に触れてないといけない」って設定忘れてたよ。唐突に玄女像が出てきたように思われるだろうけど、一応「港に運んだ」って書いてたから良しとして下さい。




