オレらの時代 〜石油王鼎談す〜 三
「だが、水上機というのは良いアイデアかも知れん。第二次大戦中には水上機母艦という種類の船もあったようだしそれはどうだろう?」
ゲンがそう提案する。水上機母艦は「水母」と略される。だからシンパシーを感じているのだろうか?
「水母よりは空母だろう。もしくは戦艦が良いのではないか?大和にしても武蔵にしても海に沈んでいるはずだ」
同じ高クラーゲンでもクラはそこまで水母に拘らないようだ。
「いや、戦艦はない」
十三が否定する。
「弾薬の当てがない以上、砲塔が邪魔だろう?それだったらまだ空母の方が有効活用出来そうなんだが…」
「何か気になることでもあるのか?」
「あの頃の軍艦って一人で動かせるものなのか?」
クラとゲンを頭数に入れたところで三人しかいないのだ。操舵室と機関室にそれぞれ人手が必要な船だとまともに運航出来ないかも知れない。
「儂らの知識はお主と同等だからな。その辺りのことはわからんな」
「現物があればアンキトースト出して使い方理解出来るんだけど、アポートしてからまともに使えないことがわかっても神力の無駄使いだからなー」
「となると、第二次大戦期の戦没艦はナシか?」
「ああ、かなりの種類海に沈んでてよりどりみどりだとは思うけどね」
「しかし、運航に人手がかかるのは今の大型船も一緒なのでは?」
「そこなんだよねー。あれこれ取り寄せたいものが多いからそれなりに積載量ないと困るし」
クラの指摘に十三も頭を抱える。
「積載量だけ考えたらタンカーが良さそうなんだけどね」
十三は石油王であり人間油田である。タンカーに載るのは至極自然なことに思える。
「だが、タンカーの油槽は細かく仕切られているはず。深さがある分、仕切りがあると荷物の取り回しが不便なんじゃないか?」
ゲンが言う。タンカーと言っても油を積むわけではないので、その油槽は荷室として使うことになるだろう。しかし油槽は十から十五ほどに仕切られている。それぞれに昇り降りのための階段なりエレベーターを用意するのは少し無駄っぽい。
「隔壁に穴開けられないかな?」
十三が二体の高クラーゲンに聞く。
「おそらく儂は溶接ぐらいは出来る気がする」
そう言ってゲンが触手の先に小さな火花を飛ばす。ゲン自身まだ試したことはないが、おそらく力をもっと入れればアーク溶接のようなことは出来るだろうと確信していた。
「だったらちょっとした鉄板程度なら穴開けられるかも知れないな」
「だが、ちょっとした鉄板じゃない可能性もある」
クラの指摘に「そうなんだよなぁ」と十三が腕を組む。
「どんな船にするか問題になっているのは積載量だろう。だったら、先に何を積むのか?その荷物をピックアップしてそのあと船を決めたらどうだ?」
「それもそうだな」
クラの提案に十三もゲンもポンと手を打つ。




