MORITARIN 37
Episode -10 B
数時間前
アレックスの基地を砲撃中だったエリに、ポーカーたちがしがみつく。
そのせいで重さに耐えきれず、落下中のエリ!
地上にうごめくポーカーたちを見て、背筋が凍る。エリは仰天して悲鳴を上げた。
「誰か助けて〜〜」
その瞬間、エリの周囲が眩しく輝く。そして一瞬で消えた。
つい先ほどまでアレックスと戦闘中だったエリ。
今では一変した周囲の状況に言葉を失い、きょろきょろと見回すばかりだ。
エリが気を取り直し、小さくささやく。
「ここはいったいどこ!?」エリのささやきを誰かが聞いた。
<「ようこそ艦長様〜」>
「艦長様?」
エリは驚くと同時に、現状がどう流れているのかおおよそ把握できた。エリはかなり聡明な子である。
「艦長なんだ〜宇宙艦長!」
目がぱっと見開かれる。エリは艦船と会話を始める。
どうやら、艦船はすでに数時間前から宇宙空間で待機し、艦長の命令を待っていたらしい。
そして危機の瞬間になってようやく、助けを求めるエリの声を聞き—
艦長の呼びかけに応答したのだとエリは理解した。
エリの心は焦り始める。
「艦船、私の友だちも呼んで〜」しかし艦船にはエリ艦長しか登録されていなかった
友だちを呼び込むには〜まず友だち一人ひとりを別々に乗員として登録しなければならない。
艦船にはエリの位置は保存されていたが、友だちを呼び寄せるにはエリが直接目で確認し、一人ずつ
乗員として登録しなければならないという煩雑な手順が残っていた。
この手順はヨナと一緒に物語を作っていた最中、自身の権威のためにエリが考え出したアイデアだ。
当時のエリは純粋に、面白い状況を期待して、それを物語に付け加えた。
しかし現在のエリは、思いもよらない絶望に押し潰される大きな苦痛を味わうことになった。
艦船はエリの命令に従って小型ドローンを放ち、ドローンで映像を確認するだけでもかなりの時間がかかり、
数え切れないほどのポーカーたちの中から友だちを探し出す作業は、その時間をさらに遅らせた。
しばらくしてエリの視界に、ポーカーたちに囲まれていても!少しも恐れず順調にポーカーを倒していく
『草原の王』を見つけた。
嬉しさのあまりエリは迷わず艦船に言った。
「レオだ!艦船、私の友だちのレオだよ〜早くレオを呼んで〜」
それに対し艦船は即座にレオを艦船へ移動させてくれた。
しかし直後、エリは自分の軽率な行動を大きく後悔することになる…
レオを先に艦船へ呼び込んだのは、あまりにも間違った判断だった。
この軽率な決定は、結果として友だちをさらに大きな危険へ追い込むことにつながってしまった。
レオが艦船内部へ移動された。
「え?…..」激しく戦闘中だったレオは、艦船へ移動すると周囲を見回し戸惑っている。
レオを見るとエリは嬉しさで、緊張が少し解けた。
「レオ!大丈夫?」レオもエリを見ると驚き、固まっていた表情が明るくなる。
「エリ〜どうなってるの?」
エリの状況説明を聞いたレオは、エリの軽率な行動に対して少なからぬ不満を見せ、声を荒げた。
このすべての状況はエリをさらに焦らせ、不安にさせた。
エリは震える声で艦船に言う。
「艦船〜あの怪物たちが覆っている場所に友だちがいるか確認して〜」
しばらくしてドローンを通して内部に閉じ込められている友だちを確認したエリは、艦船に友だち全員を移動させるよう命じた。
しかし空間移動には艦船にとっても、適度な充電時間が必要なほど大量のエネルギーを要した。
一度の移動にはおよそ15分ほどの充電時間が必要で、その15分はエリにとって1時間のように感じられた。
そのため崩れ落ちるエリを見るレオの胸は痛んだ。
そこで「ダビのバリアは安全だからそんなに心配するな〜」とエリをなだめ、それにエリは大きな慰めを受けた。
エリは悩んだ。次は誰を移動させるべきだろうか?
エリ: ヨナ、パイを呼んで次にエティ、ロギの順で呼ぼう
レオ: ダメだパイはダメ
エリ: パイがどうして?
レオ: パイがいないとダビが腕痛い!
エリ: あ〜そうだね
ダビとパイは最後に回す。
万が一の事故に備え、戦闘能力がまったくないヨナを先に救出する。
そしてロギとエティをその次に置く戦略を立てる。
だが現在ややパニック状態のエリは、重要な事実を忘れていた。
それは今すぐ艦船を友だちのいる場所へ移動させ、その力で友だちを救出すればいいということだ。
しかしレオを先に呼ぶという失敗により、エリは空間移動だけに焦る心を持つようになってしまった。
エリは聡明な子だが、慌てると沼にはまり抜け出せないことが時折ある
エリは充電時間を待ちながら一人ずつ移動させようとする、非常に煩雑で非効率な方法にばかり集中している。
沼にはまったのだ。
しばらくしてヨナが到着した。
エリはすぐヨナに状況を説明し、再びどうしようもない15分の待機を始める。
レオは退屈な待ち時間の中で艦長室を見回し、好奇心からあれこれ押してみる。
そんなレオが神秘的なモニターを見つけた。
<<神秘的なモニター>>
「うわこれ見て〜すごく不思議だ〜」その中にはさまざまな料理メニューが一画面いっぱいに表示されていた。
レオは艦船に尋ねる。
「これは何?なんでここにあるの?」
すると艦船は、望まれれば料理を提供すると言う。
艦船の言葉を聞き、興奮したレオは急速に自制心を失っていく。
画面の料理をすべて選ぼうとしたその時!エリとヨナが慌てて駆け寄りレオを止める。
「みんな集まってから一緒に食べよう〜」
レオはしばらく悩んだ末、ようやくその意見に同意することにした。
レオはモニターから離れた場所に座り、うつむいたまま重い忍耐の時間を過ごした。
だがエリとヨナもモニターに魅了され、顔を寄せてメニューを眺める。
やがて誘惑に引かれメニューを選びかけたその時、ちょうど艦船の声が響く。
「充電が完了しました艦長様」そして続いてエティも到着した。
エティも到着後状況説明を聞き、メニューを見てモニターの前に立ち尽くす。
メニューの登場はその瞬間強力な誘惑となり、
艦船を使った救出計画を思い出す子は一人もいなくなってしまった。
静寂が流れる 子どもたちは細い忍耐で充電を待っている。
互いの様子をうかがう子どもたちの間で、エティの指が細かく震える。
ついにエティは赤い誘惑に耐えきれない。
白いクリームの上に輝くイチゴがのり、とても柔らかく甘く見える『いちごケーキ』の選択画面を押す。
『トン』というタッチ音が艦長室の静けさを破る。子どもたちは内心驚きながらも再び互いの様子をうかがう。
だめなのに、だめなのに…。呪文のように繰り返す声の向こうで、禁じられた『赤い誘惑』への期待が膨らんでいく。
驚くべきことに3分ほどでいちごケーキが完成した。
いつの間にか音速で近づいたレオが食い入るようにケーキを見つめて言う。
「みんな揃ってから一緒に食べなきゃ〜!!」だがエティはすでにいちごケーキを大きく一口かじっている。
そしてとても美味しいと言いながら皆にケーキを分けてくれる。
全員がいちごケーキを受け取ると〜すぐに食べてしまった。
エリは急いでケーキの皿と道具を片付け、艦船内のゴミ処理箱に押し込んだ。
「秘密だよ〜」全員がうなずく。
だがまだ腹がとても空いている子どもたちは、むしろ何も食べなかった時よりさらに苦しい状態になっていた。
「充電が完了しました艦長様」続いてロギが到着する。
ロギも説明を聞きメニューをじっと見つめる。やがて皆でピザと飲み物を食べ、急いで後片付けを終える。
「秘密だよ〜」全員がうなずく。その後パイが移動しハンバーガーを一つずつ食べて片付けを終える。
「分かってるよね?秘密だよ〜」その後イトが到着したが子どもたちは腹がかなりいっぱいだった。
ただイトの大げさな様子に合わせ、次の順番を待つ。しかし予想外の問題が発生した。
時間になりエリは艦船に急いでモンドを移動させてほしいと頼んだ。しかし艦船は移動失敗の警告音を鳴らす。
「失敗?どうしたの艦船〜」艦船は原因不明の問題が発生したと言う。
再び充電時間を待った後、モンドに移動エネルギーを注入する。
やはり失敗。
同じ失敗を二回ほどさらに繰り返してから、ようやくエリは決断を下す。
「艦船、移動してダビのところへ〜」艦船はようやく宇宙空間からダビのいる場所へ出発した。
「げっぷ」




