MORITARIN 12
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Episode -4 A
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勉強部屋を出て家へ戻る道すがら、ロギがヨナに尋ねた。
「ヨナ! いったいイトって誰なの?」
ヨナはロギの質問に真剣に考え込んでから、口を開いた。
「うーん…イトっていうのは…すごく遠い惑星で暮らしてたって言ってた。
それで、何かの命令を受けてここに来ることになったって…」
ロギの目がきらきらした。「ひいっ! 宇宙人なの? だよね!」
「そうそう! でも怪物じゃないよ。」
ヨナは知っている範囲で精一杯答えたけれど、ロギの尽きない好奇心を満たすには力不足だった。
「ここに来た理由って何だろう? 先生もイトを見たの?」とロギが聞くと、ヨナは首を横に振った。
「ううん、まだ見てない。」
「なんで!? 先生が見たら、理由ももっと詳しく分かりそうなのに!」
「うーん、イトがここに来てからは、まだそんなに経ってないよ。二か月ちょっと…かな?」
ロギは理解できないというように、ものすごくもどかしそうな顔をした。
「えっ? 二か月も経ってるのに、知ってるのそれだけ? 気にならないの? 私、今気になることが多すぎるんだけど!」
ヨナは後頭部をかきながら答えた。「そういえばそうだね? たぶん…遊ぶのに夢中だったのかも。」
「いつ、初めて見たの?」
ロギにせかされて、ヨナは記憶の糸をほどき始めた。
「えっとね…ダビの家で泊まろうって、夜遅くまで遊んでた時だった。」
ヨナは、イトと初めて向き合ったあの夜の光景を思い出す。
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二か月ほど前、ダビの家
ダビが自分の体くらい大きな枕を抱えて、うんうん言いながら階段を上がり、自分の部屋へ向かう。
閉まっていたドアを開けると、ラジオからは陽気な広告の音が流れていた。
部屋の中ではすでにヨナが、あちこちに本とおやつをいっぱい広げたまま、その真ん中で何かを一生懸命書いていた。
しきりにページをめくって内容を確かめ、また文章を書き進めるヨナは、どれほど集中していたのか、ダビが入ってきたことにも気づかない様子だ。
ダビは抱えてきた枕を、布団の上にそっと下ろした。
そこにはすでに家中の枕を全部かき集めて積み上げた、ダビだけの「宇宙船」が堂々と鎮座していた。
これから宇宙勇者に変身し、想像の怪物と戦う番だ。宇宙船に乗り込んだダビの表情は、いつにも増して真剣だった。
ダビとヨナは、時間の経つのも忘れてそれぞれの遊びに没頭しながらも、ひっきりなしにおやつを口に入れて、うさぎみたいにもぐもぐしていた。
戦闘準備を終えたダビが、ヨナに向けて強烈な目つきを送る。
ダビ:「博士、出撃準備は完了しました。出撃命令を!」
ヨナ:(書いている手を止めないまま)「よし、宇宙勇者! 宇宙の平和のために出撃せよ!」
ダビ:「それでは宇宙勇者ダビ! 出動します。ブウウウーン〜!」
宇宙勇者ダビが勢いよく出撃したその時、ラジオから子どもたちが好きな女性歌手T.zのノリのいい曲が流れてきた。
一瞬でテンションが上がったダビとヨナは、やっていたことをやめて、曲に合わせて踊り出した。
二人がひとしきり体を揺らして、曲が終わると、ダビはまた宇宙船へと走っていく。
その時、後ろからヨナがダビを呼び止めた。
ヨナ:「おまえは誰だ? ここがどこだと思って足を踏み入れた!」
ダビはびくっとして慌てて振り返り、ヨナと向き合った。そして負けないぞというように、悲壮な声で叫ぶ。
ダビ:「俺は宇宙魔王を倒すためにここへ来た、宇宙勇者ダビだ!」
ヨナ:「はあっ! おまえがその宇宙勇者だったというのか!
ヨナ:「だが、そうはさせん…」
ヨナ:「たかが貴様ごときが、偉大なる宇宙魔王様に挑むとは!」
ヨナ:「まずは魔王様にお目通りする前に、この私を倒してみせよ!」
ダビ:「宇宙勇者に決闘を申し込むとは! いったいおまえは誰だ!?」
ヨナ:「私は宇宙魔王様に仕える最強の大将軍、ポルツリスだ!」
ダビの眉間が少しひそめられた。
ダビ:「ポルチス?」
ヨナ:「ポルチスだなんて! 『ポルツリス』だってば? ポル! ツ! リ! ス!」
ダビ:「分かった! 来い、ポルチリス!」
ヨナ:(少し気が抜けたように)「名前が難しすぎる? 今からでも変えようか?」
ダビ:「いや、いや〜 そのままでいい! そのままやろう。」
ヨナ:(また気合を入れて)「よし! 来い、宇宙勇者!」
ダビは見えない光剣で、ヨナと想像の決闘を繰り広げる。
だが大将軍ポルツリスの勢いに押され、ダビは次第に後ずさった。
形勢が不利になると、ダビは最後の手段として、枕の宇宙船をロボットに変形させることを決意した。
ダビ:「こいつ…なかなか強いな! ならば変身だ!」
ヨナ:「ああっ! まさか伝説のロボットに変わろうというのか!」
ダビ:「変身! メテオライト!」
ヨナ:(急に真剣さが崩れて)「え? メテオライトってどういう意味?」
ダビ:「俺も知らん! とにかく変身!」
その瞬間、嘘みたいに部屋の明かりが同時に消え、闇が訪れた。
ダビ:「……え?」
ヨナ:「うわ、停電かな……怖い。」
ダビ:「停電? なんで急に?」
子どもたちが暗闇の中で慌てて互いを探していた、その時だった。
しばらくすると、何も見えなかった部屋の真ん中から、目が眩むほど白い光が噴き出した。
その光の中心には、白衣を着て自ら光を放つ「イト」が、堂々と立っていた。
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家へ向かっていた足を止めて、大きな柳の木の下にヨナとロギは腰を下ろした。
ヨナがロギに尋ねた。
「どうする? 続ける? 内容、めちゃくちゃ長くなるけど。」ロギは少し考えてからヨナを見た。
「続けて。どうせ今、家にはパパも出かけてていないから続けて。ゴーゴー!」
ヨナはまた話を始めた。
「その時が、初めてイトを見た日だった。」
-4 A END
本作『MORITARIN』は現在、漫画版の制作も進行しております。
小説とはまた違った形で物語の世界を描いておりますので、
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今後とも『MORITARIN』をよろしくお願いいたします。




