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level19




・足踏み―


的を見据え、右足を動かし、体を安定させる。




・胴造り―


胸を張り、丹田に気を溜める。




・弓構え―


弓に矢を番え、的と弓の確認をする。




・打ち起こし―


大きく伸びるように弓を上げる。




・大三・引き分―


弓を引き…




弓を引き…



弓を『引けてないね。』。



「…つるが固すぎるんだよなぁ…。」



そう呟く人物の姿は、身長140㎝程の子供だ。

幼いながらも、スッキリとした目鼻立ちは、非凡そのもの。

10人女性が居たら、11人が出産し、残る35億人が離乳食を作る程の超絶イケメン―。


ユーリ=ネルタナス。


…つまり俺である。



『途中までは凄く綺麗だったのに、弓が引けなくて台無しになったよ。残念!』



「俺は弓が無くても綺麗だろう?」



『さぁ?僕は君とタナスじぃしか知らないから、美醜の基準は分からないよ。

もしかしたらタナスじぃの方が綺麗なのかもよ?』



「登頂部は綺麗だな。浮游術を使うと日ノ出みたいな美しさだ。」



『まぁた憎まれ口叩いて。

その弓を貰ってから、ユーリずっと嬉しそうにしてるから、あんまり説得力無いよ?

ちゃぁんとタナスじぃにお礼言ったの?』



「言ったに決まってるだろう。

俺は礼儀正しい超絶イケメンだからな。」



『詳しくは知らないけど、超絶イケメンって命乞いとお漏らしをよくする人の事じゃないよね?』



まぁ、いつもの会話である。

この弓は、ついこないだ師匠に貰った物だ。


この国では10歳に成るとお祝いをするらしく、およそ10歳ぐらいの背格好に成った事と、俺が弟子入りしてから3年目の記念にと、師匠がくれたのだ。

何でも、職人に頼んで9ヶ月もかかって完成させた品らしい。


貰った時は嬉しくて漏らした。

まぁ、そんな訳で弓の練習をしようとしてるのだが―



「…」



『…』



死ぬほど弦が堅くて引けないのである。



『…やっぱり引けないみたいだね?

それにユーリの体に対しては大きいし、換えて貰ったら?』



「…存在力レベルを上げて引ける様に成れば良いだけだ。

体も大きく成れば合うから大丈夫。」



『…ユーリ、僕は美醜の基準は分からないけど、今のユーリはちょっと格好いいと思うよ。』



「超絶イケメンだからな。」



この三年で色々な事が出来る様に成った。


まぁ、各種の種族技能スキルは元々得意だったが、ラファガ流術式戦闘術(ソーサリーアーツ)も上達し、地・光・闇の系統の魔術も、中級難度のものは習得出来る様に成った。


ラファガ流術式戦闘術(ソーサリーアーツ)は、術式干渉魔術を主体とした各種魔術と、近接戦闘の複合武術なのだが、環境利用術の側面も極めて高い。


平たく言えば、“何しても良いからとにかく敵を倒せ”がコンセプトの武術なのである。


“卑怯こそ正道”のこの武術は、心の超絶イケメンでもある俺には不向きだったが、何故か思いの外筋が良いと褒められた。



ビィも大きく成長している。


生まれたての“小妖精”から、“下級妖精“へと進化したのだ。



“進化”



これは、レベルアップを繰り返した事で、上位構造世界帯アストラルサイドの魂…これは“アストラル体”と呼ばれるものだが、蓄積したアストラル体が効率的に再編成される事で起きる現象らしい。


それによって変化したアストラル体に合わせて現実世界アッシャーサイドの姿も変化し、干渉力も高まるのだ。

正にポケモ○みたいな進化である。



「にしても、最初はまともに喋れもしなかったのに随分語彙が増えたよな…。」



『そりゃあね。

ユーリの翻訳チートが言葉を覚えて無い僕にも有効だったからね。

後は、タナスじぃが色々教えてくれたのもあるよ。』



「最初はびぃびぃ喚くだけの羽虫だと思ったんだがな。」



『最初に“びぃびぃわめくな”って言われて、僕の名前はビィビィだと思ったんだよね。』



「そういやそんな事があったな…」



そんな会話をしていたのだが―



『…ユーリ、気付いた?』



「あぁ、何か来るな…。」



視界の隅に何かが飛んで来るのが見えた。


俺は確認するべく、意識を集中させ、種族技能スキルである千里眼を使う。


…あれは…。



「ビィ、俺は師匠の所に行く。お前は此処で少し待っててくれ。」



『分かった。気を付けてね。』



俺は師匠の下に急いだ。





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