神とともに歩むもの
予言されていた審判の日は過ぎ去った。
だが、私たちは消え去ることなく今も生きている。
あの日からちょうど3年が経った。
風化することのない傷。
北の大国からの支援もあり、復興は大きく進んでいるといっていいだろう。
東の大国は先週、例の日のことを編纂する作業に入った。
どうやら、関係者から話を集めていくらしい。
また、近々、英雄たちを認定するための式典が執り行われるそうだ。
西の大国は、南部の被害は大きかったが、街が少なかったため、もうすでに復興が終わっている。
先月の式典には、防衛部弓隊により天使を模したと思われる像が建てられた。
しかし、その天使を見たというものは少数のため、他国では疑問の声も上がっている。
かくいう私は、信じている。
あの日、大きな傷を負い死にかけていた私が一瞬で完治したのだ。
この奇跡を知っている私にとって、事実に思われてならない。
南の大国の首都は壊滅的となったため、遷都も計画されていたが、災害の爪跡を大きく残したまま遺跡と認定しこの外縁部に街を広げ、円環型の都市を建設中である。建設はあと3年と計画されている。
著 トマス
大興奮して思うままに書いた新人の記者はこの後、編集長にとてもきつい説教を受けたのは別の話である。
そして、また別の話。
誰も通らない山道に、石が積まれている。
墓、もしくは慰霊碑と呼ぶのがいいのだろうか。
死者を悼むものである。
その横に咲いている花は
刀を持った少年に摘まれ
数枚の花びらが
誰も来ないような山道をやってきた数名の元を訪れた。




