#1‐17 初めてのダンジョン 襲来!!
「遂にダンジョンに潜る日きちゃー!」
勇者襲撃事件から翌日、遂にダンジョンに潜る日がやって来た。自分も3日振りに睡眠をとって準備は万端の状態だ。
「ここまで長かった……まさか、事前の情報収集に3日も掛かるとは思っていなかったよ。」
「ダンジョンに潜るまでに3日も掛けたのは、情報収集だけではなく、初見殺しをなるべく抑えるからでもあるんだけどね。」
「え、どういう事?」
「ダンジョンは何が起こるか分からない。初見では56されるリスクが何十倍にも膨れ上がる。だから、既にダンジョンに潜った先駆者様の情報を搔き集めてから潜った方が何百倍も安全。」
「攻略サイト創る側としてそれってどうなの?」
「最前線に潜って4ぬよりはマシ。自分の攻略サイトなんてどうせ殆ど見て貰えないし、だったら自分達の命の方が優先。」
「ええ……」
「そうドン引きしないの。4んだ状態でどうやって攻略サイトを創るんだって話。最優先は自分達が生き残る事。『先駆者』は龍くらいの実力でもない限り、務まらないと思うぞ?」
このRPGは難易度低い! 初心者でも確実にクリアできる! といいつつ、一度も全滅せずにクリアした事がある割合はどれくらいあるのだろうか? クリアするだけなら誰でも出来るが、一度も4なずにクリアとなるとその難易度は跳ね上がる。
『リアルRPG』は人生縛り。何時やってくるか分からない初見殺しに如何に適応できるかが勝負のカギになってくる。
「それにしても………やっぱり酷いなこの装備。」
自分には『檜の棒』と『お鍋の蓋』、谷口さんには『檜の杖』と『お鍋の蓋』を装備している状態だ。正直に言おう、4ぬ程ダサい。
だが、コスパと性能は最強だ。なんと4つの装備で300ドスコイ。破格の値段で攻撃力、知力、守備力が1.2倍~1.5倍程上昇するとんでもない性能をしている。レベル1でステータスが低いからそう見えるだけだけど。
「ダサい……もっと見栄えの良い装備が良かった。」
「無駄に高いから却下。人生において一番大事な事、それは『羞恥心』を捨てる事だ。これから向かうダンジョンは、自分達以外に人がいる確率はほぼゼロだから、我慢しな。」
「うう、山本君はもっとカッコいい装備してたのに……」
「あれは唯の脳死馬鹿。鉄系装備は配布された10万ドスコイをなるべく全部使った最強装備。今頃、ポーションを買う金がなくて悩んでいる。」
「あっ! あと、同じ装備が宝箱に入ってる可能性もあるしね!」
経験者語る。
「それもあるんだけど、装備系は無駄に費用が高い。初期装備はなるべくコスパを抑えて、武具は宝箱や魔物のドロップで手に入れた方が良い。」
「言われてみればそうかも。」
ここで装備について、少しお話しよう。
装備はセレクト画面で装備の一覧を確認することが出来る。
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【装備一覧】
右手:檜の棒
左手:お鍋の蓋
頭:なし
鎧:布の服
装飾品:なし
オーブ:なし
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一つ、武具を装備する上で縛られる事がある。それは、2つの武器を装備する事だ。
右手で『檜の棒』を持った状態で、左手に『檜の棒』を装備することが出来ない。装備しようとすると、『既に武器を装備しているので装備できません。既に装備している武器と入れ替えますか?』というテロップが表示される。
武器は何故か1種類しか装備出来ない。そういう縛りが課せられていた。
片手に武器、片手に盾という組み合わせなら出来る。両手に盾という組み合わせも剣と同様、出来なかった。
双剣や双盾の様なロマン装備は出来ないが、代わりに両手を使用して装備する武具がある。
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・両手剣
・大盾
・弓
・大斧
・ランチャー など
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こういった、両手で支えないといけない武具も幾つか存在する。例として弓を装備するとこんな表記がされる。
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右手:ショートボウ
左手:ショートボウ
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両手に同じ武具の名前が記載され、盾が装備出来なくなる。両手で支えないといけないシリーズは、より性能が強めに設定されている。
世間の評価曰く、『弓』は意外と強いらしい。Hランクダンジョンの魔物なら、遠距離で見つからずに一撃で葬れるとの事。矢筒を背中に付けて、そこから矢を収納することが可能。
弓の上位互換に『ランチャー』があるんだけど……まさかの現代兵器。お値段は一番安くても300万ドスコイ。本体に加え、弾も10発1万ドスコイというとんでもない値段をしている。現状買える奴はこの世に存在していない。
『弓』が好評に対し、『両手剣』『大斧』は意外と不評だった。重量により、敏捷性の低下やスタミナ消費量が激しいからだ。レベルが上がって身体能力が高くなるまでの辛抱である。
頭装備は兜だったり、眼鏡だったり、ピアスだったり……頭に装備するものならなんでも頭装備扱いになる。『装着』するだけなら何個でもつけれるが、『装備』するとなると一つしか性能に反映されない。何故なら頭装備の枠は一つしかないから。
装備欄には『装飾品』と『オーブ』がある。『装飾品』はネックレス、指輪、ストラップなどが『装飾品』に分類される。ただし、装備しても身近にある殆どの装飾品は何かしらの効果を持たない。結婚指輪は愛の力で魅了耐性が上がるといった特殊効果も無い。唯の飾りである。
もしかしたら何かしら強くなる装飾品が存在しているかもしれない。あるとしてもかなりのレアアイテムなんだろうけど。
そして『オーブ』、これが一番分からない。現状、『オーブ』に分類されるアイテムは確認されていない。つけたらなんか強くなりそうというのは分かる。こちらもかなりのレアアイテムの類なのだろう。
装備した武具は、自分の意思で好きなタイミングで取り出しが出来る。収納したものは『袋』や『アイテムボックス』に格納されない。収納した武具はセレクト画面の装備一覧の武具名が薄くなって表記されている。
例として、『檜の棒』を収納してみる。すると、『檜の棒』は『アイテムボックス』や『袋』には格納されずに、『檜の棒』がこのように薄く表記される。
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【装備一覧】
右手:檜の棒(←ここが薄く表記される)
左手:お鍋の蓋
頭:なし
鎧:私服
装飾品:なし
オーブ:なし
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ちなみに『私服』も直ぐに収納できる。ただし、収納した瞬間にすっぽんぽんになるので注意。谷口さんの前でそれをやると殴られるので注意しよう。
でも更衣室での使用はとっても便利。一瞬で着脱が出来るのは普通に感動した。着脱だけではない。鎧装備の『入れ替え』をすれば、着脱の過程なしで一瞬で服を入れ替える事が出来る。これで更衣室に入らなくても服の入れ替えが可能になった。
『女子更衣室の覗きは俺達のロマンであり希望であり夢だ! それをぶち壊しやがって……宇宙人許さねぇ!!!』
こういう奴もぱらぱら見かけるが、普通に便利な世の中になったので自分は全て許した。それに、操作慣れしていない女子が誤ってすっぽんぽんになった事件も多発しているので、逆に感謝している男子達も発生している。
装備は『アイテムボックス』や『袋』で何時でも入れ替えが可能である。『アイテムボックス』からはセレクト画面から装備の入れ替えが可能だが、『袋』の場合はショートカットで入れ替えが出来る。
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【装備一覧】
右手:檜の棒
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【袋】
・檜の杖
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この状態でこう念じる事で、『檜の杖』を装備することができる。
檜の杖!
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【装備一覧】
右手:檜の杖
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【袋】
・檜の棒
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こんな風に武器名を叫ぶだけで、一瞬で装備の入れ替えが出来る。戦闘中にも入れ替えが出来るのだろうか? もし、出来たらかなり戦略性が広がるんだけど……まぁいいや、それはダンジョンに潜ったら分かる事だ。




