あの日
「・・・ちっ。まったく、最悪な休日だぜ。な、お前もそう思うだろ?」
痛みに耐えながら、目の前にいる敵に視線を送る。
「すまないな、素敵な休日を奪ってしまって」
今日は勇者について行って、元勇者の奴隷に会って・・・それからこんな目に合うなんて、本当に最悪だ。全部意味わかんねー。
「キメーんだよ。思ってもないこと口にすんな」
ただひとつわかることは、あいつが今、悪意を持ってオレの前に立ってるってことだ。
不意打ちでもらった脇腹の傷が鋭い痛みを訴えてくる。・・・が逃げるわけにはいかねぇ。
「なんで・・・どうして・・・?なんで、シュトラちゃんに・・・」
オレの後ろに、恐怖で震えているフェルンがいるからだ。
・・・どうする?どうすればいい?
この傷のせいで、まともヤったんじゃ勝てねぇ。
「考えても無駄だ。お前じゃ私には勝てん。その傷があろうとなかろうとな」
「オレの本気も知らねーくせによ、うぜーこと言ってんなよ」
「たった一つの冴えた方法を教えてやろうか?ー--勇者に助けを求めるのだよ」
「はっ!」
オレは奴の言葉を、鼻で笑った。
「冗談言うんじゃねーよ、あいつならオレとフェルンをおいて一目散に逃げちまっただろ?」
「あんなまがい物ではなく、本物の勇者を・・・だ」
「・・・くくく。それこそ冗談だろ?オレ達とあいつはもう赤の他人だ。それが今になって、泣いて助けてくださいってか?・・・んなみっともない真似、オレはごめんだね」
オレとあいつはもう赤の他人。だってあの日オレはー--
「それに、よ。オレがアンタをぶっ潰せば、そんな話に意味はないだろ?」
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