554 元勇者達のお食事会
今年もよろしくお願いします。
今回の三人は、アレな人たちなので、言動が所々アレだったりしますがご了承ください。
「さ、出来たよ、どうぞ召し上がれ」
ラッテル子爵家から借りてる宿舎の庭で、マコトが作ったばかりの料理をテーブルに並べていく。
まったく、この国は戦時下だってのに楽しそうにしやがって、まあ料理はコイツの趣味だしラッテル領は前線からはかなり離れてるんだがな、とは言え普通に考えりゃやり過ぎだ。
少し離れた所に設置された、先日出来たばかりの窯付きの小屋、というか窯を設置する為だけの小屋から運ばれて来る料理に目を向けると、アキエが声を上げやがる。
「んー、辛口カレーなんて、何十年ぶりだろうマコトちゃん解ってるー」
両手でナンを千切りながら口に運んでやがるが、まあ確かにここまで辛いのは久しぶりだからな。
カレー自体はマコトやそれ以外の料理の出来る『勇者』達が、この世界で入手できた数十種類の香辛料を調合してカレー粉を作って来たからライワ伯爵家でもカレー味は定番だが、唐辛子が見つかったのはリョーの奴がユニコーン族から入手した数か月前の話だからな。
今まで食べてたカレーうどんなんかは、日本で食べて来たカレーとは辛さの感じが違ってたんだよな。
「せっかく、唐辛子をカミヤ君が提供してくれたからね。これでカレーはもちろん、四川風中華も、韓国料理もレパートリーが広がるね。まあ、料理の歴史で言えばトウガラシなんかは欧州列強のアメリカ大陸上陸とアジア進出で16世紀ごろに持ち込まれた比較的新しい食材だから、伝統料理って意味ならトウガラシ無しでもいいのかもしれないけど。まあ、そんな事言っちゃえば和食だって、今有る定番の多くは江戸時代以降や下手をすれば明治大正に生まれた料理ばかりだから、伝統料理と言っても何とも言えない物だけど……」
コイツは、ホント料理に関する話になると話が長く面倒になるな。
「しかしまあ、ナンにカレー、タンドリーチキンにシークカバブ、まんま日本のインドカレー店だな」
わざわざタンドリー窯を作れと、設計図を手渡ししてきた時は、ふざけるなと思ったが。まあこれはこれで、新しい料理をうちの関係者連中に覚えさせるいい機会になったか。
「ホントの本場なら、ナンなんてめったに出ないだろうから、本物に拘るならチャパティも焼くけど、まあメインはまだあるから満腹にならないように注意して貰いたいかな」
専用の窯が必要な、ナンよりもフライパン一つで作れるチャパティの方が広めるのには向いているな。新しい料理が広まれば、それに合わせて新しい食品の需要が生まれ、新しい流通も出来る。
香辛料自体はここではそんなに珍しくないが、需要は十分あるからな。
地球なら温暖な地域でしか育たずないような種でも、『迷宮核』に『型』が登録されていれば、季候が合わなくても定期的に採取できるし、偶然『型』が変化して、寒冷な土地なんかでも育つ品種が生まれたりするから、『迷宮』近郊の町や村にいけば、一種や二種はその土地の名物となる香辛料が有る物だ。
その上で、この世界の多くの都市での食肉需要は、それほど強くない冒険者が『迷宮』の浅い位置から持ち帰る弱い魔物の肉で賄っているからな。
牧畜で肉を得ていた地球の中世よりも肉の供給量は多いが、野生動物な上に処理も甘く保存技術も限られる以上、血の匂いや腐りかけの臭みを誤魔化し、多少なりとも防腐作用の見込める香辛料の需要が無くなる事はない。
でもって、何処の町も大抵の味付けは地元で取れる香辛料しか使ってないから、他の『迷宮』で取れる香辛料を持って行けば、物珍しさからそれなりの値で売れる。
地元の香辛料が有るから必須って訳じゃないんで、中世の欧州みたいに同じ重さの金と同額とまではいかないが、香辛料は外す事無くそこそこの儲けがでる交易商なんかには手堅い商品だ。
「だが、カレー粉なら十数種類のスパイスが必要になるからな。人気が出ても他の連中にマネされる恐れは低い」
それだけの種類の香辛料を安定的に確保するには、幅広い伝手と流通網が必要だ、それを抑えてる商会や貴族は限られるから、上手くすれば完全な独占は無理でも、一部の商人と組んで寡占で値をある程度コントロールする事も出来るだろう。
「何より肝心の唐辛子は、俺だけが抑えているしな」
「随分、悪い顔をしてるわよカミヤちゃん。まるで、狙った子の外堀を埋めていくドS眼鏡キャラみたいな」
どんな顔だそりゃ。
「アキエちゃんじゃないけど、ホント悪い顔してるよ。キミが何を考えてるかはなんとなく解るし、生産を安定させるには儲けが必要なのも理解してるから、ボク達の必要量をしっかり回してくれるなら、どう稼ごうと文句を言うつもりはないけれど。日本人の好む味がこの世界で通用するかは試してみないと分からないというのは、忘れちゃダメだよ」
「まあ、確かに醤油や味噌なんかも一部の街では定着化して一定量が売れるが、ライワ家が新規参入を狙えるほどの需要はないからな。田舎の変わった土着調味料程度の扱いでしかないもんな」
今は、うちや他の『勇者』連中で使う分を安定購入するために、俺とマコトで資金援助してる位だし。
「まあ、味覚や味の好みなんてのは生まれや育ち、環境なんかに左右されるからね。日本でだって、関西と関東で味付けや料理が変わって、合わない人は合わないしさ。東北の雪国とかだと、伝統的に保存しやすい塩の多い料理が多かったから、他の地方の人だとかなりしょっぱく感じたりするからね。更に国まで違っちゃえばねえ、日本にある外国料理の専門店の多くだって日本人の味に合わせてローカライズされてたりするからこそ、売れてるってのも少なくないからね。日本の専門店で美味しかったから、海外旅行の時に現地で食べたら合わなかったなんてのもよく聴く話だし」
確かにな、というか日本にある専門店でも国によっては俺の好みに合わない料理も結構あったからな。
「現代の日本や先進国みたいに、小さい頃から色んな料理や味付けを知っていれば、新しい味を受け入れやすい余地も広がるだろうけど、こっちは流通も人流も限られてるから、大都市や貴族、お金持ちなんかを除けば、料理のレパートリーなんてほんの数種で固定されてて、ほぼ同じ物、同じ味しか知らないなんてのも珍しくないし」
ああ、まあそうだよな、食材だってその土地で育てれる数種類の作物と、『迷宮』から取れる何種かの肉類位じゃ、作れる料理も味付けも限られるから、その味付けだけに舌が慣れてるのか。
そうなると確かに、新しい料理の入れる場所は限られるのか。まあうちの領地だったり、関係のあって流通のしっかりしてる土地、都市部なんかだと事業開拓の余地はあるだろうさ。
いっその事、カレー粉だけでなく、醤油・味噌なんかも積極的に普及させるか、味付けうんぬんよりも。漬けにして食品を保存するって方向で持って行けば……
「ふーん、あ、そう言えば織田信長が有名な京都料理のシェフの料理を不味いって言ったなんて話があったっけ。京都の貴族向けの繊細な味付けを出したら、味がしないって怒って、それで大味で田舎向けの料理を作り直したら、大満足で雇って貰えたって話」
「へー、よく知ってるねアキエちゃん」
「戦国武将の知識は、オトメの基本よ。ゲームでもアニメでもカッコいいキャラがいっぱいだから」
相変わらずコイツの知識はそっちに絡んだ物が大半だな。
「まあ、でも冒険者なんかには売れるかもしれないかな、地球でも傭兵にカレー粉が人気だって聞いた事があるしさ」
「なんだそりゃ、傭兵にカレーってのはよくわからないな」
「ほら、ジャングルに長期間籠っていると野生動物を食べる事もあるけど、基本的に野生の肉は臭くて不味いのが多いから、複数のスパイスで香りや味の強いカレー粉でそれを誤魔化せば何でも食べれるらしいからさ」
まあ、そりゃ食べるための家畜は、より美味い親を選別して繁殖させる形での品種改良が多少なりともされてるし、エサもある程度選んで、肉質が悪くなるような餌はよほど環境が悪く十分な餌が確保できないような場所じゃなきゃ食わせないだろうが、何を食べてるか分からない野生動物はそうはいかないからな。
臭みも付くし、肉も堅くなりやすいし脂身も少ない事が多いからな。だがそれは魔物をメインの肉にしてるこっちの世界なら当然の事だろう。
「魔物の肉も町で食べる時は煮込んだり、調味料を擦りこんだり、タレをたっぷり塗ったり手間をかけて食べれるようにしてる場合が多いけど。『迷宮』のキャンプで手間のかかる料理をするのは難しいし、そもそも料理の技術が無いから、振りかけて焼くだけでも、何とか食べれるようになるカレー粉は売れると思うけどな」
匂いが強い分だけ、魔物を呼び寄せそうな気もするが、いや逃げる時に撒けば自分達の匂いを消せるか。しかし、冒険者連中にそう言った需要が有るとはな、俺が『迷宮』攻略してた時は補給要員を用意して食糧を定期的に運ばせてたからな。
そう言えばリョーの奴のメイドは、料理スキルがかなり高かったな、それなら『迷宮』でも困りはしなかった、いやあいつはそもそも肉を食えなかったか。
「まあ、これをどうするかはこれから考えるとして、それよりも、神殿がこの戦争をどうするつもりなのか教えてほしいんだけどな。地元の郷土料理を調べるにも、土地に合わせた新しい料理を開発して広めるにもさ、こうも混乱してると上手く行かないからさ」
「あ、それは私も気になってたの、ステミちゃんさ、最初の頃はムルズ王国を石器時代に戻すとか、主戦派の領地を徹底的に焼き払うとか凄い事言ってたのに、ぜんぜんそんな感じ無いんだもん。市街戦とか領主館の陥落なんかのドタバタに紛れて、カッコいい子やカワイイ子をゲットしようと思ってたのにさ、野戦ばっかで、いい感じの子はあっさり死んじゃったり捕虜になったりして、ホント根性足りないよね」
コイツに取っちゃ戦争も狩り場かよ。
「攻城戦だって、短期決戦であっさり降伏したりトップが討ち取られて、すぐ終わっちゃって全然混乱しなかったから私が紛れ込む隙が無かったし。やっとカミヤ君がその気になってメントラム領を潰すって聞いた時には楽しみにしてたのに、屠城ってなに、皆殺しってどういうこと。せめてイケメンとかカワイイ男の子は残してくれてもいいじゃない、カミヤ君が8歳の貴族の子のハラワタをぶち撒いたって聞いた時は耳を疑ったわ。貴族のショタそれも一桁よ、どう考えたってSSRの貴重品よ、ステミちゃんが約束してる貴族の奴隷だって、捕虜がメインだからショタなんて居るはずがないっていうのに。メントラム領の主要街道で待ち伏せて、逃げてきた子爵の家族をゲットしようと思ってた私のワクワクを返してよ、他にもいっぱいショタやイケメンが居たはずなのに、全部殺しちゃうとか酷いじゃない。せめて死体だけでも持ち帰ってくれれば使い道が有ったのに」
死体をって相変わらずイカレてやがるなこの女。
「相変わらずだね、アキエちゃんは、それでどうなのかな。ボク達は一時的な雇われ助っ人みたいなものだから詳しい話は聞かされてないんだけど、カミヤ君は知ってるんじゃないかな、今回の件には深くかかわってるんだしさ」
まあな、こいつ等には言っておいた方がいいか、利権に絡んでくるような連中でもないし、下手に黙っていれば勝手な行動をして、状況を混乱させて来るかもしれねえし。
「あの女は、開戦当初は本気で国全部を焼き払っても構わないくらいのつもりだったらしいが、今はそこまで徹底する予定じゃないらしい」
というかそれをされると困る、リョーのおかげでうちもムルズ王国各地に利権が出来ちまったから、それが焼け野原になっちまうとな。骨折り損のくたびれ儲けって事になっちまう。
「カミヤ君に気を使ったってだけじゃないよね。ステミちゃんなら他の利権を手配するからムルズの利権は諦めてってくらい言いそうだし」
「だろうな、理由は少し前に有った複数の『迷宮』が同時期に『活性化』やその直前までいった件だ」
それをやらかした、マイラスは死んだらしいがな。
「へー、確かもう全部解決したんだよね。僕とアキエちゃんも一つづつ『鎮静化』して色々『魔道具』をゲットできたけど。ああ、そう言えばそれで、主戦派だったのに国から助けて貰えなかった幾つかの貴族領が、神殿側に助けてもらう代わりに寝返ったんだっけ、他にも『鎮静化』や『活性化鎮圧』をする代わりに利権を取ったって聞いたけど、それも有るのかな」
「その一件でな、ムルズ側と一時休戦して、協力しながらだったとはいえ、神殿主体で二十近い『迷宮』トラブルを短期間で解決して見せたってんで、戦争を続けなくても神殿の戦力を周辺諸国に誇示するには十分だったらしい。しかも、ボスやレアモンスターの素材やら『魔道具』やらがたんまり手に入ったんで、今回の遠征の経費と取り立てれてない債権を合わせても、黒字までは行かないが、もう少しでプラマイゼロになる位の儲けになったらしい」
『活性化』は出てくる魔物や『魔道具』の質や量がシャレにならないからな。『活性化』間際の『迷宮』を『鎮静化』した時の『迷宮核』でもいろいろ出してくれるからな。
出費と儲けを合わせて、殆ど赤字にならない額で示威行為が出来たってんで、ステミの奴はほくほくしてやがったな。これで債権の取り立ても上手く行けば……
「まあ、後は、ムルズの貴族軍が『迷宮攻略』で意外と役に立ったから潰すのが惜しくなったってのも有るらしい。まあ普通に考えて、一面の焼け野原を占領しても旨みはないからな」
完全に殺し尽くして焼き払えば、壊れたインフラを一から作り直し、食糧生産やら商業やらが軌道に乗るまで、どれだけ金と年月がかかるか分からねえからな。
住人だけ殺すなり追い出すなりして、建物やら農地なんかを丸ごと分捕ったとしても、他から流民やら移住者を連れて来るだけで金がかかるし、上物が揃っていても慣れない土地で始めるのも事だ、季候や農地の癖が分かってないと、作物も上手く育てられないし、収穫や種まきの時期も手探りで探すしかなくなる。風土病なんかも対策が分からないからな。
何世代も積み重ねられ蓄積されてきた地元の経験や風習ってのはバカにならないから、住民の反感や抵抗運動なんかに、問題なく対処できるならそのまま住民ごと乗っ取った方が、楽ではあるんだよな。
『迷宮』にしても、地元の冒険者や軍隊の方が効率の良い利用法や攻略法、安全策なんかを知ってたりするしな。
「潰すって言ったって、主戦派貴族とその支配域だけだから、神殿に協力的な貴族や中立の貴族は大丈夫じゃないの、ていうかそれじゃあ、私がこの国に来た意味が半分くらい無くなるんですけど、ぜんぜん男の子が狩れないって事だから」
「主戦派だけが潰れたってなっても、同じ国内の話だから影響はデカいだろ。焼き払われた領地から難民が出て、流れ込んだ地域の治安が悪くなれば面倒だ。取引先の貴族領が荒れて、物が売れない或いは商品が入って来ないってなれば、それ以外の地域も経済が混乱して、それが他にも波及してくだろうし」
農作物の売り先が無くなるだけでも、農村の被害はデカいだろうからな。ただでさえ、この国は穀物相場の乱高下で景気が混乱したばかりだからな。
「そんな訳で、まあ敵対してる軍隊の幾らか、特にクスリが絡んでる所は叩くだろうが、後は頭を潰して挿げ替えるだけに済ますって方針に変えたらしい。その方が、債務も回収しやすいだろうし、頭を潰すところをしっかりと見せつければ脅しにもなるだろうってな」
まあ、国ごと血の海になるか、貴族とその家族が皆殺しになるかは被害の程度が全く違うが、神殿と敵対関係になりそうな国や地域の支配層へのインパクトはそれほど変わらないだろうからよ。
どっちにしろ首謀者は生かしておかないって事だからな。
「まあ、場合によっては王都でひと騒ぎ位は有るかもしれないが、それもアキエが付けこんで人をさらうのは難しいだろうな」
首都制圧ってなりゃ、あの女の事だ、しっかりとした事前準備をして計画を立てて制圧作戦をやるだろうから、消えても問題にならないような主要貴族やその家族なんかは、きっちり捕縛するだろうからな。
今の時点で、奇襲時に備えて戦力を引き込むためのスパイや暗殺者を大量に潜入させててもおかしくない。
「そうなのか、あーあ、詰まんないな。それじゃあまともな収穫はヤスエイちゃん位になっちゃうか」
「まあ、まあアキエちゃん、今日のメインでも食べて機嫌を治してよ、きっと驚くと思うから」
そう言って、マコトが持ってきた皿に、あれは、まさか……
「え、嘘、これって、ホントに、マコトちゃん……」
「やっぱり、カレーって言えばこれだよね」
「おい、これを、何処で見つけた、生産性はどうだ種一つからどの程度の収穫量まで増える、栽培期間は、栽培条件は……」
やはり温帯や亜熱帯みたいな温暖でなければだめなのか、水の使用量はどうなんだ。
アキエの奴は味しか興味が無いようだが、そんなのはどうでもいい、俺なら幾らでも品種改良が出来る。向こうと同じなら、これが有れば食糧事情が一気に変わる。領地で支えられる人口限界も食糧相場も……
「おおっと、そんな重要な情報をボクがタダで教えると思うかい、まあ、条件次第では種子と、3年間の実験栽培記録を提供しても良いけど」
三年だと、そんなに前から見つけてたのか、元は独占するつもりで行き詰ったか、いやいざという時の交渉材料に取っていたのか。
「ボクのやってる事、やりたい事、カミヤ君ならよく解ってるよね」
「リョ、現勇者の事か」
「もちろんそうだよ。今回は君もステミちゃんも本気で隠し過ぎだよ、うちの子達が調べてもまったく情報が取れなかったんだから、こっちとしても奥の手の交渉カードを切ったんだよ。それで一体何をそんなに隠してるのかな」
「ああ、あの子か、こないだ遠くから見たけど、いまいちなんだよね。何かオッサンぽくて見ててもムラムラしてこないんだよな」
とりあえずアキエは問題なしか。コイツは自分の好みでしか人を評価しないし、話をしないから、これなら余計な事はしないか。
となるとやはり問題なのは……
「ボクが『勇者』達に危害を加える気が無いのは知ってるだろう、まあヤスエイみたいになりそうな問題児なら、積極的に潰すつもりだけど、今回の子は違うんだよね」
確かにコイツがリョーを殺す事はないだろうが、だからと言って安心できる訳じゃねえ、なにしろコイツの目的は……
どうする、殺してでもタネを奪い取るか、いや現実的じゃないな、コイツのレベルや職は馬鹿にできない、何よりコイツを仕留めれば、コイツと友好的な十人近い勇者連中を敵に回す事になるか。
「解った、だが幾つか条件が有る……」




