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日々、つづる(短歌集)  作者: 江藤ぴりか


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39/43

炭色の真珠、打音のさざなみ(お題:なし)

2026年4月11日


①

きゃらきゃらと 転がる声は 花筏《はないかだ》 あの頃のわたし すくい上げ


②

追憶の 声は今より キンとして 煙で枯れた わたしも愛おし


③

乾いてる 文《ふみ》の薄灰《うすはい》  指摘され 情の色なぞ 書けぬと知り


④

メルヒェンの モーチフ憧れ 立ち止まる 暗色の夢 わたしを包む


⑤

芳《かぐわ》しき 花を捉えて 声に出し ファインダーに 閉じ込めてあげる


⑥

色のない 唇に触れ 歳をとる わたしもあなたに 泥のえぐみ


⑦

語の選び 悩んで詠んで また一句 つまらぬものが できあがり


⑧

炭色の 雫は真珠 頬伝り 墨汁だとも 知らずさめざめ


⑨

暗がりで 油だけが 目の頼り すずった墨で 半紙を汚す


⑩

暗い部屋 打音のみが 響いてる 白いキャンバス ゴシック体


⑪

昔なら そろばんの音かと 呟くも ため息をつき 今も自問す

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