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炭色の真珠、打音のさざなみ(お題:なし)
2026年4月11日
①
きゃらきゃらと 転がる声は 花筏 あの頃のわたし すくい上げ
②
追憶の 声は今より キンとして 煙で枯れた わたしも愛おし
③
乾いてる 文の薄灰 指摘され 情の色なぞ 書けぬと知り
④
メルヒェンの モーチフ憧れ 立ち止まる 暗色の夢 わたしを包む
⑤
芳しき 花を捉えて 声に出し ファインダーに 閉じ込めてあげる
⑥
色のない 唇に触れ 歳をとる わたしもあなたに 泥のえぐみ
⑦
語の選び 悩んで詠んで また一句 つまらぬものが できあがり
⑧
炭色の 雫は真珠 頬伝り 墨汁だとも 知らずさめざめ
⑨
暗がりで 油だけが 目の頼り すずった墨で 半紙を汚す
⑩
暗い部屋 打音のみが 響いてる 白いキャンバス ゴシック体
⑪
昔なら そろばんの音かと 呟くも ため息をつき 今も自問す




