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第九百九十七話 通失神する編
懲りずに現れた第六天魔王の挑発によって切れてしまった通が、魔王を吹っ飛ばす一撃です。
但し、皇帝の城も吹っ飛びました。
孫左京達は唖然としました。
「し、城が……」
意識を取り戻した皇帝が泣きました。
「危ないわよ、オジさん」
美子が皇帝を引き摺って助けます。
「いいぞ、いい。もっと来い、龍よ」
魔王は不敵な笑みを浮かべながら起き上がりました。
「言われるまでもねえ!」
激怒MAXの通が飛翔し、魔王に接近した時です。
「通!」
幼馴染の美津が天から降りて来ました。
「げ、美津……」
途端に怒りが消えて行く通です。顔が真っ赤です。
「もう喧嘩はしないって約束でしょ」
美津の言葉に通の戦闘計数が下がって行きます。
「帰りましょう」
美津は通にギュッと抱きつきます。
「ひ……」
通はそのまま気絶です。
「お騒がせしました」
美津は樹里達に頭を下げると、通を抱えて天に帰って行きました。
「かっこいい、あのお姉さん」
美子が言いました。