996/1000
第九百九十六話 通切れる編
御徒町樹里達の前に現れたのはまたしてもあいつでした。
嫌われ者のあいつです。でも決してAKB好きの芸人ではありません。
「誰が○ちゃんだ!」
第六天魔王が問題発言なので、伏字にしました。
「てめえ、今何て言った!?」
通は魔王に禁句である「チビ」を言われて切れてしまいました。
魔王はニヤリとし、
「そうだ、龍よ、もっと怒れ。もっと我を憎むがいい!」
魔王は通の怒りと憎しみの気を吸い取り、城をも覆い尽くす程の大きさになりました。
「もうああなったら、兄さんを止める術はないです」
項垂れる馨です。
「あのバカ……」
孫左京が歯軋りします。
「そうなんですか」
でも樹里は笑顔全開です。
「馨、何を弱気な! 手はまだある」
西の龍王の声が天から聞こえました。
「うぬ如きが出て来ても、何も変わらぬぞ」
魔王はニヤリとしました。
「何笑ってるんだよ!」
通が突進し、魔王に会心の一撃です。
「ぶはあ!」
魔王は吹っ飛び、ついでに城も吹っ飛びました。