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第九百九十六話 通切れる編

 御徒町樹里達の前に現れたのはまたしてもあいつでした。


 嫌われ者のあいつです。でも決してAKB好きの芸人ではありません。


「誰が○ちゃんだ!」


 第六天魔王が問題発言なので、伏字にしました。


「てめえ、今何て言った!?」


 通は魔王に禁句である「チビ」を言われて切れてしまいました。


 魔王はニヤリとし、


「そうだ、龍よ、もっと怒れ。もっと我を憎むがいい!」


 魔王は通の怒りと憎しみの気を吸い取り、城をも覆い尽くす程の大きさになりました。


「もうああなったら、兄さんを止める術はないです」


 項垂れる馨です。


「あのバカ……」


 孫左京が歯軋りします。


「そうなんですか」


 でも樹里は笑顔全開です。


「馨、何を弱気な! 手はまだある」


 西の龍王の声が天から聞こえました。


「うぬ如きが出て来ても、何も変わらぬぞ」


 魔王はニヤリとしました。


「何笑ってるんだよ!」


 通が突進し、魔王に会心の一撃です。


「ぶはあ!」


 魔王は吹っ飛び、ついでに城も吹っ飛びました。

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