993/1000
第九百九十三話 皇帝逆上編
御徒町樹里は、逆恨みをした皇帝に暗殺されそうになりましたが、孫左京達の活躍で事無きを得ました。
翌日、樹里達は皇帝に拝謁しました。
樹里が生きているので、驚く皇帝ですが、何とか堪えます。
「よく眠れたか?」
皇帝は作り笑いをして尋ねました。
「はい」
樹里は笑顔全開で応じました。
「それは良かった」
皇帝は周りにいる部下達に目で合図し、樹里を殺そうとします。
それに気づいた鴻均道人が、
「この期に及んでまだ樹里を殺めようとするか?」
と璃里の肩を抱いて言いました。
「何してるの!」
美子が殴りました。
「何の事ですかな?」
皇帝は惚けました。
「ネタは上がってるんだよ」
孫左京が影達を引き出しました。
ギョッとする皇帝ですが、
「だからどうだというのだ? 朕はこの国で一番偉いのだ。その朕に逆らうは国家に逆らうと同じ。だから死を以て償ってもらうのだ!」
と言いました。
「様子が変だぞ」
露津狗が言いました。