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第九百八十二話 樹里、経典を授かる編
御徒町樹里は遂に天竺大雷音寺に着きました。
樹里達の前にお釈迦様が現れました。
皆平伏します。
「大義である。皆の者、ようやった」
お釈迦様が労いの言葉をかけました。
「ありがとうございます」
樹里が顔を上げていいました。
孫左京達も顔を上げて、
「ありがとうございます」
と言いました。
「では、ありがたい経典を授けよう」
お釈迦様が言うと、樹里達の目の前に二つの葛籠が運ばれて来ました。
運んで来たのはあの軽い乗りの四天王です。
「樹里ちゃん、久しぶり」
毘沙門天が言いました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開で応じました。
「こんなところで何してんのう?」
亜梨沙の寒いギャグが空振りします。
「では好きな方を選ぶが良い。但し、間違った方を選ぶと、中から魑魅魍魎が出て来るぞ」
お釈迦様が脅かしました。
葛籠は大きいものと小さいものがあります。
経験則から考えると、正解はどちらかよい子の皆は知っています。