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第九百八十一話 大き過ぎる大雷音寺編
御徒町樹里は遂に天竺大雷音寺に着きました。
全てが破格の大きさで、孫左京達は圧倒されています。
「何だこれ、風呂かと思ったら、お釈迦様の茶碗か?」
左京はその大きさに仰天しました。
(ここには何度か来た事があるけど、ここまでじっくり物を見たのは初めてだ)
蘭や亜梨沙も驚きまくっています。
「凄いよ、馨。大きい!」
蘭が馨にくっつきながら言いました。
相手が馬だけに一歩間違えると危ない発言です。
「そうなんですか」
馨の背に乗っている樹里は笑顔全開です。
畑を耕す鍬かと思ったら、お釈迦様の耳かきでした。
「入場料取れるんじゃない、ここ?」
亜梨沙が悪い魔女のような顔で言いました。
「罰当たりな事を言わないでよ」
蘭が窘めました。
「よくぞ参った、御徒町樹里と愉快な仲間達よ」
お釈迦様の声が聞こえました。
「お釈迦様のおなりだ。皆の者、頭を下げよ」
観音様が現れて言いました。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開です。