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第九百七十八話 馨の真の力編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために天竺大雷音寺を目指しています。
「また兄貴が乗り移ったんじゃねえのか?」
孫左京が呟きました。
「違います。あれが馨さんの本来の姿です」
真面目モードにいきなり変身の樹里が言います。
「ええ?」
左京は思わず馨を二度見しました。
「馨」
蘭は祈るような目で戦いを見守ります。
「はあ!」
馨が飛びました。
「う!」
軍荼利明王は後退します。
「逃げるのか、郡上八幡明王!」
馨が怒鳴りました。ボケをかます余裕があります。
「グしか合ってねえよ!」
明王は切れました。本体の姿になり、応戦します。
四本の腕が青龍刀を振り回します。
「うりゃあ!」
それを素手で止め、刀身をへし折る馨です。
「そんなものか、群馬県明王!」
馨が更にボケます。
「誰がマイナー県だ!」
明王はまた切れました。G県在住の作者が泣いています。
「うりゃうりゃ!」
馨は神速で踏み込み、連打です。