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第九百七十三話 試練の終わり編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために天竺大雷音寺を目指しています。
失血死寸前の孫左京を救ったのは美子の声でした。
「エロ左京め」
亜梨沙が呟きました。
するとそこへ松葉杖を突いた不動明王と軍荼利明王が現れました。
「待て待て! インチキがあったのがわかった」
不動明王が言いました。
「何がインチキだよ!?」
左京が鼻血を止めながら言います。
嫌な汗を大量に掻いている馨です。
(バレたんだ……)
「その龍である馬は、兄の力を借りて我を倒した。よって試練は無効。お前らは全員失格だ」
軍荼利明王が言いました。
「ええ!?」
皆一斉に馨を見ます。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開です。
「本当なのか、馨?」
左京は馨を問い詰めました。
「はい。すみません」
馨は項垂れて詫びました。
「何て事をしたのよ!」
蘭が激怒します。
「許してください」
馨は樹里を下ろして頭を下げました。