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第九百四十七話 終わらぬ戦い編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
樹里のありがたい講話が始まり、皆聞いています。
「おーい、今我らは戦っているのではないのか?」
手持無沙汰な魔王が言いました。
樹里は構わず続けます。
「九霊元聖さんの言う通りです。まさしく、魔王と言う存在は私達の負の部分の集まり。ですから、いくら戦っても倒す事はできないのです」
樹里のまともバージョンに通がポッと赤くなります。
「か、可愛い……」
それを聞きつけ、睨みつける孫左京です。
(こいつ、幼馴染の美津はどうしたんだよ?)
「この戦いをやめる以外、戦いに勝つ方法はありません」
樹里が言うと、
「よくぞ悟った、御徒町樹里よ」
どこからか声が聞こえました。
「この声は?」
左京がビビります。
(お釈迦様だぞ。来たのか、ここに?)
「釈迦か? 何を戯れ言を。我を惑わすつもりか?」
魔王が言い返します。
「弁天、飲み過ぎじゃ、絡むな」
妙な声が聞こえました。