945/1000
第九百四十五話 樹里、叫ぶ編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
樹里は何かに気づいたようです。
「どうしたの、樹里?」
璃里が尋ねました。樹里は笑顔全開で、
「戦いをやめてください」
と叫びました。
「ええ!?」
孫左京以下、男達が仰天しました。
「どういう事ですか、お師匠様?」
左京が尋ねました。
樹里は何も言わずに目をウルウルさせています。
「う……」
さっきの妄想も手伝い、左京はまた鼻血地獄です。
「お師匠様、どういう事ですか?」
蘭と亜梨沙が言いました。
「第六天を去ります」
樹里が宣言しました。
「何!?」
通が仰天しました。
「何言ってるんだよ? おかしな事ほざくとぶっ飛ばすぞ!」
通が言うと、
「そんな事は俺が許さん!」
左京が鼻血を止めながら言いました。
「御徒町樹里、何を企む?」
龍に変化した魔王が眉をひそめました。
「樹里、どうしたというのだ?」
太上老君が呟くと、
「なるほど、そういう事か」
霊宝天尊が言いました。