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第九百四十一話 長兄の意地編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
通は血塗れで倒れ伏しました。
「くそ……」
彼は起き上がろうとしますが、身体が言う事を聞きません。
「兄さん、死んじゃうから、もう動かないで」
馨が叫びました。
「うるせえ! 末弟のてめえなんぞに心配されて、この俺がはいそうですかって言うと思ったのか!?」
通は気力だけで立ち上がりました。
「ああ、ますます素敵!」
蘭と愉快な仲間達が声を揃えて言いました。
「何だと!?」
愉快な仲間達が地の文に切れました。
「兄さん……」
馨は呆れました。
(そういう兄貴だったのを忘れた)
「ウチの長兄はどうしたのかの?」
霊宝天尊が遊魔のお酌でほろ酔い加減の顔で言います。
ソッポを向き遊魔のお尻を触る太上老君です。
「お前は長兄としての意地はないのか?」
師匠の鴻均道人が言います。
「一緒になって触っている貴方に言われたくありません」
老君は言いました。