931/1000
第九百三十一話 馨、失恋する編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
蘭は馨の兄の通に一目惚れです。
「蘭さん……」
馨はその様子を見てショックを受けました。
この緊急時に何を考えているのでしょうか?
「うるさいですよ!」
馨が地の文に突っ込むなんて初めてです。
「何してるんだ、お前ら! 早く離れろ!」
そこに孫左京が戻って来て言いました。
「この前はオヤジに邪魔されたからぶちのめせなかったけどな」
通は左京に気づいて絡みます。
「兄さん、今は魔王を……」
馨が止めます。
「そうだな」
通は身体を輝かせて、魔王に飛翔しました。
「素敵」
蘭が乙女の目になっています。
「どうしたんだ、あいつ?」
事情を知らない左京が尋ねます。
「兄さんに惚れたようです」
馨は寂しそうです。
「何考えてるんだよ」
左京は呆れました。
「早く離れよ!」
太上老君達も来ました。
「後は猿と龍と九霊元聖と女媧と伏羲に任せよ」
老君が言いました。