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第九百三十話 蘭、一目惚れする編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
魔王は九霊元聖の爆炎で燃えながらも次第にその身体を復元して行きました。
「兄貴、皆を避難させた方がいいみたいだ」
元聖の言葉に孫左京は事の重大さを感じました。
「お師匠様!」
左京は樹里と璃里を素早くきんと雲に乗せ、魔王から離れました。
「黄姫、離れるのだ。魔王はまた進化するぞ」
元聖も黄姫を抱きかかえ、飛翔します。
「ちょっと、あんた達、勝手よ!」
亜梨沙が怒ります。すると露津狗が、
「亜梨沙殿、乗ってください」
亜梨沙は大喜びです。
「はあい」
それを蘭がムッとして見ています。
「蘭さん」
馨が戻って来ました。
その後ろに通がいます。
通は龍の姿ではなく少年の姿です。
蘭のショタの虫が蠢きました。
「きゃわいい!」
蘭は通に駆け寄ります。
「誰、貴方? こいつの弟?」
馨がギクッとします。
ところが通は、
「違うよ! 俺はこいつの兄貴!」
と顔を赤らめて言いました。