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第九百二十九話 九霊元聖の反撃編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
九霊元聖の復活に魔王以上に焦っているのが孫左京です。
(あいつ、強過ぎるから、俺の主役の座が危ない)
何度も言うようですが、このお話の主役は樹里ですよ。
「うるせえ!」
左京は地の文に切れました。
「兄貴、安心して。私は兄貴の立場を脅かすような事はしないよ」
元聖が言いました。
(そんなところも勝てない)
苦笑いする左京です。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「同じ手を食わないようにもう少し離れようかな」
元聖はわざと魔王に背を向けて歩き出します。
「隙あり!」
魔王が飛翔し、元聖に襲いかかります。
「かかったね?」
元聖は振り向きざまに爆炎を吐きました。
「ぐはあ!」
魔王はそれをまともに食らい、燃えました。
「やった!」
黄姫が大喜びします。
「無駄よ。我はうぬと同化した事でうぬの力も手に入れた」
魔王が言いました。
「何?」
元聖は眉をひそめました。