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第九百二十八話 九霊元聖戻る編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
九霊元聖の身体に同化しようとしている第六天魔王。
九霊元聖は孫娘の黄姫の叫びに呼応するかのように両手で魔王の首を掴みました。
「うぬ、如何なる事ぞ?」
魔王は焦っています。
「ぐああ!」
元聖の手が魔王の首を身体から引き剥がしました。
「ぐお!」
そのまま魔王の首は放り出されます。
「おのれ、元聖、まだ精神が生きておったのか?」
魔王は宙で停止し、言いました。
「はあ!」
元聖はボンと首を復元させました。
「おじい様!」
黄姫が嬉しそうに手を振ります。
「おう、黄姫。其方が呼んでくれたので、私は帰って来られたよ」
黄姫は手を振るのをやめて、
「おじい様とはまだ話し合いの決着がついておりませぬ故」
苦笑いする元聖です。そして魔王を睨み、
「よくもやってくれたな、魔王。危うく消されてしまうところだったよ」
魔王は元聖を見て歯軋りしました。
「あと一歩のところを」