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第九百二十六話 嘲笑う魔王編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
仙人達の言葉が胸に染み、孫左京は泣きそうです。
「ジジイ……」
それでも呼び方は「ジジイ」です。
「何をするつもりだ? 我はこの第六天では不滅ぞ?」
魔王は鴻均道人を睨みます。
「お前をここで仕留めるつもりはない。別の天に跳び、一緒に消えてもらう」
道人が言いました。
その途端、四人の仙人の身体が輝き始めます。
「愚かな」
魔王はニヤリとしました。
「ダメです!」
樹里が叫びました。
「止めるな、樹里よ」
太上老君が言いました。樹里は、
「魔王は待っているのです、あなた方が力を使うのを!」
ハッとする仙人達です。
「気づきおったか」
魔王はギリッと歯噛みしました。
「魔王は一度消えても、あなた方の力を吸い取り、甦るつもりです」
樹里が言います。
「それに気づいたは誉めてやろう。しかし、わかったところでどうにもなるまい?」
魔王は嘲笑いました。