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第九百二十三話 鴻均道人対第六天魔王編

 御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。


 鴻均道人こうきんどうじんが進み出ます。


「図に乗るな、魔王。まだ儂がおるぞ」


 魔王はせせら笑い、


「うぬがおろうとおるまいと何も関係なし」


「後悔するぞ」


 道人は飛び出す寸前に璃里のお尻を触りました。


「エロジジイ!」


 代わりに亜梨沙が怒りました。


「道人様」


 璃里は道人の触れ方がいつもと違う事に気づきます。


(まさか……)


 嫌な予感がする璃里です。


「そうなんですか」


 でも樹里は笑顔全開です。


(道人様は美子めいずさんに力を分けてしまわれた。だから……)


 璃里は道人の無事を祈りました。


「璃里よ、その思いだけで、儂は十分じゃ」


 道人が呟きました。


「儂の弟子を可愛がってくれた礼だけはきっちりさせてもらうぞ、魔王よ」


 道人は魔王を睨み据えました。


「かかって来い、老いぼれ」


 魔王が挑発します。


「はあ!」


 道人は孫左京にも見えない速さで魔王に向かいました。

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