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第九百二話 左京号泣する編
御徒町樹里は西を目指していましたが、第六天魔王を追って第六天に来ました。
孫左京は涙を拭って、
「お師匠様、仇は討ちましたよ!」
「そうなんですか」
樹里の声が聞こえます。
「はい、仇は討ちましたよ……って、え?」
恐る恐る振り返ると、大型きんと雲の上に立つ樹里の姿が見えます。
「お師匠様」
左京は号泣しました。
「会いに来てくださったんですね。感激です」
左京は樹里の霊が現れたと思っているようです。
「左京、お師匠様は冥府から戻られたのよ。生きておられるのよ!」
蘭が泣きながら叫びました。
「え?」
左京はもう一度樹里を見ました。
「只今戻りました」
樹里は笑顔全開で言いました。
袈裟は璃里が新しいのを着せたようです。
覗こうとしたリックと太上老君と元始天尊と鴻均道人は亜梨沙と遊魔が叩き伏せました。
「お師匠様!」
左京がきんと雲で樹里に向かうと、
「猿、今はまだその時ではないぞ」
霊宝天尊が真顔で言いました。