第45話
第45話
部屋にご飯が運ばれてくる少し前に子供達が起きて
部屋に運ばれてきたご飯を子供達と食べて
柚乃に母乳を飲ませ終わった時だった。
コンコンと扉を叩く音が響き
「はい、どうぞ。」
と声をかけると入ってきたのは
シルヴィオさんとダリオさんだった。
いつものように軽い口調で
だけど、目は真剣だった。
シル「お、本当に化粧したんだな。
ん〜俺より上手いかも。
なぁなぁ、俺にも教えてくんね?」
「良いですけど、男性には男性の
メイクの仕方がありますよ?」
シル「知ってるなら教えて欲しい。」
「ん〜。ヴェレーナさんと2人一緒で構わないなら。」
シル「げ。母さんと一緒かよ。」
「子供達がいますし、
メイクは時間が掛かりがちなので。」
シル「ん〜。」
ダリオ「シルヴィオ。」
シル「分かったよ。母さんと一緒で良い。」
ふふ。シルヴィオさんの母親と一緒を嫌がるのは
『男の子』って感じ。
はぁ、柊人もいつかは「母さんと一緒は嫌だ」
とか言うようになるのかなぁ?
「ではヴェレーナさんと時間が合う時にしましょう。」
そこへコンコンと扉を叩く音が響き
シル「あ、母さんだ。開けていい?」
「え、えぇ。もちろん。」
私が困惑してる間にシルヴィオさんは扉へ近づき
扉を開けて入ってきたのは
本当にヴェレーナさんだった。
何で判断してんだこの人。
ヴェ「食器を下げに来ました。
あら?ダリオ様もシルヴィオも何してるんです?」
シル「サユさんのメイクを見に来たんだよ。
メイク見てみたら教えて欲しくなってさ。
頼み込んだとこ。」
ヴェ「あらあら、まぁまぁ。
やっぱりサユさんは凄いですね!」
ヴェレーナさんが手をパチンと叩き
嬉しそうにキャッキャッと笑ってる。
まぁ……シルヴィオさんの変装メイクは
ヴェレーナさんソックリだったのに
この世界では『見抜けない』レベルらしいもんな。
「丁度、ヴェレーナさんも一緒なら教えますよ。
と言っていた所なんですよ。」
ヴェ「まぁ!シルヴィオと一緒に?
……この子と何かを一緒にしたことは
数えられる程しかありませんから嬉しいです。」
ふふふ。と笑うヴェレーナさんの瞳は
少しの切なさと嬉しさで満ちていた。
その顔を見て私は胸がキュッとなった。
ーーーー母親、なんだなぁ。
さっき未来の柊人を思って寂しくなった私は
とても他人事に思えなかった。
「よし、今なら子供達も落ち着いてますし。
皆さんが時間あるなら今からしますか?」
気づけば私はそう口にしていた。




