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プロローグ
プロローグ
サァッと強い風が吹いた。
思わず腕で顔を覆い、目を閉じる。
風が止み、そっと瞼を開くと――
目の前には、見たこともない異国の服を纏った
一人の女性と子供が立っていた。
よく見れば、その腕の中にはさらに
小さな幼子も抱かれている。
彼女は呆然と周囲を見渡していたが
俺の存在に気づいた瞬間
腕の中の我が子を強く抱き締めた。
そして、俺を真っ直ぐに射抜くような
強い視線を向けてくる。
その、守るべき者のために牙を剥く
「母」の瞳を見たとき。
俺は、柄にもなく
――この人を、一生かけて守りたい――
と思ってしまったんだ。
醜い傷を隠すための「仮面」のことなど
一瞬で頭から消し飛んでいた。
「……何者だ。どこから来た」
ふと我に返り、いつもの癖で冷徹な声を
投げかけてしまう。
違う。俺が言いたかったのは
そんな怖がらせるような言葉ではなかったのに!




