ワイン煮込み
所変わりまして飛竜の尻尾
飛竜の尻尾は冒険者向けのお店
ダイニングバーみたいな雰囲気が素敵
アルムさんは赤茶色の髪の毛をスポーツ刈りにした爽やか好青年
野球選手みたいにがたいが良い
このお店はアムルさんのお爺様が造ったそうで、数年前お亡くなりになって、後を継いだそうです
お爺様はこだわりの強い方だったようで、至る所に魔道具が使われていて、中々ハイテクで使いやすそう
食材保存室は涼しく保冷されていて、食材が傷みにくい冷蔵庫のような感じだし、厨房は火の調節ができるコンロ、煙や匂いを外に出す換気扇、お湯が出る蛇口などなど
気になるものがいっぱいあるんだけど…
窓のとこに飾ってあるあれ…
あれは…
思わずジーっと見てたらアムルさんも気づいた見たい
「割と良い匂いだろ?ばーちゃんのとこの庭に生えてるんだ。剪定して切っちまったけど、花が咲いてたからとりあえず飾ってみた。ばーちゃんの庭には良い匂いの花がたくさん咲いてんだよ。」
えー!
でしょうね!!
そりゃ良い匂いですよ?
だってこれ月桂樹だもん
ローリエだよ、ローリエ!
「気に入ったなら持って帰っていーぞ!」
まじで?!
「良いんですか?!」
「おう。明日も庭の手入れでばーちゃん家に行くから、店の分はまた何か適当にもらってくるさ。」
「明日、私もお祖母様お庭を見せてもらいたいです!」
「別に構わねーけど、匂いは良いけど草みたいな花ばっかで、綺麗な花とかはないぞ?」
「是非お願いします!」
やったっ!
料理人なんだからハーブに興味があって持ってきたのかと思ったけど、あんまり興味ないのかな?
知らないだけ?
「セレニティさん、あの…。」
あ!
そうでした、そうでした
「レナさん。失礼しました。私がここに連れてきてもらったのは、こちらでクラウンワイナリーのワインを仕入れて欲しいからです。」
「ワインならもう既に卸してるよ?」
「ノランくん、それは飲む用ですよね?それ以外にワインを使った料理を出して欲しいんです。」
みんなキョトンだけど、美味しいんだよ?
***
出張お料理教室IN飛竜の尻尾〜
今日のメニューは牛肉の赤ワイン煮込み
因みに今日は2日目です
材料は
なんちゃらブルのお肉500gを4センチ角に
だいたいで大丈夫
食べやすい大きさであれば良いのです
お肉の量もお好みで
タマネギ1個くし切りに
ニンジン1本1センチくらいの薄さに
大きければ半月切りに
ニンニク3片潰す
セロリ欲しいけどなかったので省略
黒胡椒の粒小さじ1杯
常温の赤ワイン1本分
ブーケガルニって言って数種類のハーブを紐で縛ったものと一緒に漬け込む
今回はないのでローリエ2枚
お祖母様のお庭に期待しよう
これをだいたい6時間以上漬け込む
飛竜の尻尾は保冷できるのでちょうど良かった
同じ作業をアムルさんにもしてもらったので、お鍋2つ分で10人分くらい?
ここまでの工程を昨日のうちに済ませて、漬け込んであるので、今日はここから再開です
漬け込んだ具材を取り出して、ザルでこしてワイン液を火にかける
中火で煮立たせたら灰汁をとりながら、もう数分煮込む
煮込んだワイン液を取り出して、同じ鍋でバターを溶かしてお肉を焼き、しっかり焼き目がついたら取り出す
また同じ鍋で取り出していた野菜(タマネギ、ニンジンニンニク)をオリーブオイルで炒める
数分炒めたら、お肉を戻して小麦粉大さじ3杯をパラパラと振り入れ、さらに炒める
ここに、取り出していたワイン液を少しずつ入れて、ダマにならない様に溶き伸ばしたら、コンソメスープをワインと同量加える
水と固形スープの素が簡単で良いけど、流石に異世界には無いからね
ブイヨンでも大丈夫
後は沸騰してからトマトペーストとローリエ、塩胡椒をして1時間ぐらい弱火でじっくりコトコト
たまにかき混ぜる
1時間経ったらワインを追加で150㎖ジャガイモを入れ30分
仕上げにもう一度塩胡椒で味を調えて完成
1時間経った時点でタマネギはドロドロで無くなってるので、追加でペコロスとかマッシュルームを入れても美味しい
今回はボリュームを出すためにジャガイモを皮付きでゴロゴロ入れました
お肉も柔らかくできてそう
勿論、塊肉でも薄切り肉でも大丈夫
トマト多めにして鶏肉でも美味しいよ
工程が多いけど、煮込み料理は作り置きできるし、パンにも合うし、夜のうちにお肉を仕込んでたらランチにも間に合うよね
半分はノランくんに持たせてワイナリーの皆さんで食べてもらう
もう半分は今からアムルさんのお祖母様のお家でみんなで食べることにしましょう