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異世界に転職しました  作者: Aries
第4章
63/202

ホットワイン

 





 サングリアを漬け込んでるあいだにホットワインの準備


 夏場はサングリアがいいけど、寒くなってくると温かい飲みものが良いよね


 ワイン2本分にお砂糖は大さじ8杯くらい


 だいたいコップ1杯につきお砂糖大さじ1杯の計算


 レモン1コ輪切りにして、シナモンは3〜4本


 火にかけ沸騰前に火から下ろす


 これだけ


 甘さが足りない時はオレンジや蜂蜜を入れても良いし、紅茶で割っても良いし


 ロイくんと妊婦さんには勿論。紅茶のみです


 現物を販売するか、レシピを販売するか…


 とりあえず商標登録はしよう


 木漏れ日亭でお試し運転してみよう


 問題はサングリアの日持ちだよね〜


 作ったら次の日には売りたいし


 そもそもヴィジュアルが庶民向けじゃないのかな?


 見栄え良いし


 あーでもないこーでもないと、ラッセルさんソフィアさんと話てたら、お外がとても騒がしい



「どこかから金を借りたんだろ?そんなことしなくても俺がオヤジに頼んでやったのに。」


「借金?何のことですか?迷惑ですので、お引き取り下さい!」


「無理するなよ。俺が立て替えてやるよ?どうせ土地を担保にしてんだろ?それともどこかの貴族でもタラし込んだか?」


 何事?


 なんか成金、ザ!成金!!ってやつがレナさんに絡んでる


「やめてください!い、いやっ!!」


「ヤメろ!姉さんに触るな!」


 ベタベタ触れてきた成金をロイくんが払いのけたけどなんか雲行きが怪しい


「何を騒いでるんだ?」


「何事ですの?」


 ラッセルさんとソフィアさんが出て行ったので、私は影からこっそり見守ることにした


 決して面倒だからとかそういうわけじゃなく


 第三者だし


「なんだ、いたのなら早く出迎えろ、オーナー。困ってるみたいだったから、助けてやろうとわざわざ足を運んでやってるんだ。それで、どこで金を借りてきたんだ?立て替えてやるぞ?」


「…お気遣いありがとうございます。なんとかやってるので心配はご無用です。」


「ふんっ強がりもほどほどにしとけ。支度金を増やしてやっても良いんだがな。」


 成金はレナさんを舐める様な視線を向ける


 え〜


 何あれ〜


 キモい〜


「申し訳ないですが、何度もお断りでしてます。娘はまだ嫁にやれません。」


「オーナーは女の幸せがわかってないな。支度金を釣り上げたいのはわかるが、そろそろ準備をしてもらいたいものだな!まぁ良いまた来る。」


 なんだあいつ!


 取り巻きを連れて物を蹴散らしながら出て行った


「お父さんっ!」


「大丈夫だ。何も心配いらない。」


「いやいや、心配するでしょ?!」


 思わず突っ込んでしまった…


 ソフィアさんに失笑されました




 ***




 ワインを購入したことで、お金の心配は当面なくなったわけだが、風評被害というのはそう簡単になくなるものじゃないので、継続的な努力が必要だ


「とりあえず皆さん、ワインは私が購入しましたので、しばらくは資金に問題はないでしょう。それで、これからなんですけど、…」


「セレニティさん!少し待って頂きたい。ご購入頂き感謝しているし、ソフィアさんのご友人の貴方を疑うわけではないが、こらは我々の問題ですし、子供達に聞かせる内容でもない。」


「父さん!」


「ロイ、お前は黙ってなさい。」


 ラッセルさんに遮られたと思ったら、ロイくんも思うところがあるんだろう


「黙らなくて良いですよ。ロイくん。言いたいことがあるならハッキリ言ったら良いですよ。」


「セレニティさん!」


「待ってよ!僕だってクラウンワイナリーの為に何かしたいんだ!」


「子供が生意気言うな!」


「落ち着いて下さい!これでは話し合いができませんわ!」


 感情を露わにさせる2人


 14歳といえば此方では成人手前


 子供なんだけど、子供じゃない


 何だかなぁ


 従業員さん達も困り顔


 と言うか、事情はどのくらい知っていたんでしょうか?


 ラッセルさんは何も話していないのかな?


 喧嘩親子はほっといて話進めよう


「サムさん、エニーさん事情はどこまでご存知ですか?」


『ワイナリーは大丈夫なの?何で話してくれないの?』


「わ、私らは不作で売れ行きがあまり良くないと聞いておりました。」


『お前はそんな心配しなくていいんだ。父さんに任せとけば大丈夫だから。』


「はい。レナお嬢さんの件でエドモンド商会と折り合いが悪い、としか…。」


『父さん、僕だって何か役に立てる!』


「フッィツさんモニカさんもですか?」


『子供に何ができる?!まだまだ半人前だ。』


「そうだな。俺らもその程度しか聞いてねーな。」


『そんなの、やってみないと分からないじゃないか!?』


「そうね。」


『生意気言うんじゃない!』


「んー、オレは何となくだけど知ってたよ。」


「ノラン、どう言うことだ?」


「ノランさん、お話聞きたいのでちょっと待ってもらえますか?」


「え?うん。」


「ラッセルさん!!ロイくん!!五月蝿い!!!」


「「はっはい!!?」」


「いつまでやってるんですか?話が進まないでしょう?」


 全く


 この人大丈夫だろうか


「私は、言わば出資者です。出資者が経営に口出しするのは間違ってないです。ですよね?ソフィアさん。」


「勿論ですわ!」


「ラッセルさん、貴方のミスがこの事態を招いていることを自覚してくださいね?オーナーとして従業員に説明するのは当然でしょう?ちゃんとはなして下さい。レナさんの事も含めて!」


「で、ですが…。」


 ロイくんをチラチラ見ながらボソボソ言っても無駄です


 観念して下さい


 父親としての威厳とか、もうどうでも良いんですよ?


 これ以上拗れるとロイくん家を飛び出して行っちゃうかもですよ?


「ロイくんももう14歳。もうすぐ成人です。息子が可愛いのはわかります。ラッセルさんが、ロイくんにワイナリーを継がせる気がないなら何も言いませんよ?どうなんですか?」


「それは…。そのっ。…っはぁ〜。」


 結局観念したラッセルさんは、大きなため息をついて、ホットワインを飲んで落ち着いたのか、みんなの前で盛大に謝罪し事情を説明しだした







いつも読んで頂きありがとうございます!

大変申し訳ないですが明日から三連休させて頂きます。

次回投稿は9月25日となります。

引き続き宜しくお願いします。

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