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異世界に転職しました  作者: Aries
第6章
113/202

一触即発?

 




 油断も隙もない


 ルシフェルは隠れてたつもりかも知れないけど、あの場で私がわからないわけないじゃない


 だいたい、戦闘が終わっていきなり「どーも、どーもー。」みたいな、芸人さんの出囃子的な感じで出て行くわけには行かないでしょ!


 さてと、十和子ちゃんだっけ?


 毒も抜いたし、お顔の傷も身体も綺麗に治してしまいましょう


 年頃の女の子の顔に傷をつけるなんてなんて輩どもだ


 身体に傷があるなんて今後のストレスになるしね


 お姉さんにお任せなさい


 隅々まで確認しておりますよ〜


 破損した臓器や皮膚は彼女の髪の毛を触媒としているのでスムーズに出来ました


 簡単にやってるように見えるかも知れないけど、異世界人は身体の作りがこちらの人族と若干違うので、細胞を、1から作るのは結構大変なのよ


 彼女は勇者の卵でもあるし


 髪の毛を勝手に使っちゃったことは申し訳ないけど、焼けたり切られたりしてたとこから下の部分をもらったので大丈夫かな?


 起きたら切り揃えてあげよう


 タダでしてあげればよかったって?


 そんな、タダより高いものはないのよ


 何事にも対価は必要でしょう?


 いつでも助けてあげられるわけじゃないけど、できる時は、ね?


 こんなものかしら


 失った血液は、身体に負担がかかるし自然治癒の方が良いかな〜


 後はメンタルね


 こればっかりは時間と周りの人のフォローに任せるしかないかな


 オリビアさんとシェーンに付いていてもらって、何かあったら知らせてもらうことにしてるので、とりあえずここは大丈夫ね


 花の丘に行きましょう




 ***




 はて?


 こりは…


 どういう状況かね


 花の丘は情景に似合わない殺伐とした空気


「何これ?どういうこと?」


「僕らは悪くない。」


「ガウっ!(あたしのせいじゃない!)」


 泣き噦るクラルスと吠えまくる風雅と臨戦態勢な勇者くんたち


 誰も手を出してない所が救いかな?


 クラルスが勇者の卵達に話しかけて、聖騎士君に邪険にされ、ビックリして泣いちゃって、風雅が吠えて威嚇した


 風雅の威嚇に妖精達が怯えてしまい、ちっちゃい精霊達がざわつく


 うちの子を虐めるなと、大精霊(おや)が出てくる


 勇者の卵達戦闘態勢になる


 十六夜とルシフェルも怒る


 そしてこの状況、と


 シスルー談


 なるほどね


 とりあえず『光風』


 ふぅ〜っと風を飛ばす


 爽やかな春の風が吹き抜け、妖精、精霊達は穏やかさを取り戻し湖の方へ戻っていった


 あの子達は私の生み出したマナが大好きで、たまに魔法で風を起こしたり雨を降らせたりしてあげると、とても喜ぶの


「クラルス。」


「あ、あねうえ〜。うぇ〜。」


「ほら、泣かないの。男の子でしょ?」


 とてとて走ってきたクラルスを撫で撫で


 泣き虫め


 風雅も、もふもふして褒めてあげる


 クラルスを守る為に勇敢な行動だったので


「冷蔵庫にプリンがあるから、食べておいで。オリビアさんに言ったら出してくれるから。」


「うぅっ。姉上は来ないのですか?」


「彼らとお話ししてから行くね。大丈夫よ。」


「で、でもぉ…。」


 ちらちらと彼らを見ながら不安そうにしているクラルスを宥めて、十六夜の上に乗せる


「早くしないと、シェーンがプリン食べちゃうよ?」


「だっためです!」


「風雅と一緒にお留守番お願いできる?」


 うーん、うーんと唸ってる姿も可愛いね


「あ、姉上、早く帰ってきてくださいね?」


「もちろんよ。十六夜、お願い。」


「ガウ!」


 十六夜たちを見送って、ルシフェルを目で牽制した


 どうせ彼のことだから、先に手を出してくれたら始末できたのに、とか思ってるんでしょうよ


「身内が失礼したわ。取り敢えず、座ってもらえるかな?」


 ん〜っと


 何から聞こうかなぁ


 人数分のお茶を出して、まずは先に彼らの話を聞くことにしましょう


 質問タイムはそれからね






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