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高坂の思惑

読み返してみたら既に高坂と面識済みだっただと……。

修正しました。

「なあ、能力って強化出来るのか?」

 今は科学の街へと向かっている途中、今後の為にも是非とも聞いておきたいことを言う。

「能力の強化、ですか。そうですね、できますよ」

「なるほどな。つまりまだ僕は強くなれると」

「なんだなんだ、お前まだ強くなる気なのかよ」

「当たり前だろ。僕は自殺を抜いたとしても、今まで何回死んでると思ってんだ」

 刺殺、感電、銃殺。バリエーションに富んでいるわけではないが、それでも死にすぎだ。便利な肉体に甘えすぎだと思う。

「能力の強化……。私の能力も強化出来るのでしょうか?」

「早着替えの能力を強化したところでどう変わるのだ……」

「榊さんは剣の腕をあげる方が効果的だと思いますよ?」

「それもそうですね……」

 少しがっかりとした表情でこうべを垂れる。気持ちはわからんでもない。

「あー、そういや俺も聞いたことあるな。確か……」

「ツヴァイですね。その能力に付加効果が出たり、出力自体が上がったり、中には性質そのものが変わるものもあるそうです。……まあ、まだ到達者は一人もいないそうですがね」

「強くなりたいなら、俺と榊で訓練してやるよ。榊とは少しやってたみたいだけどな」

 結局やめてしまったが、一時期榊と手合わせをしていた時もあったのだ。なんというか、レベルが違いすぎるのでやめたのだが。

「失堕もお教えしましょうか?」

「あ、是非頼む。僕は防御面の耐久は紙だからな」

「では私は絶鬼の剣を……」

「いや、それはいい。僕あんまり日本刀使わないしな。なにより、一閃で相手をバラバラにするような技がある流儀なんて、10年かかっても覚えられる気がしない」

「うむぅ……」

 不貞腐れやがった。こいつらしい。

「ふむ。我にも出来ることをやろう。差し当たっては、貴様のことを”お兄ちゃん”とでも呼んでやろうか」

「僕はそういうので喜ぶ人種じゃねーよ!」

「お兄様の方が良いのか……?」

「その発想は流石ですわ!って何言わせんだこの野郎!」

「メア、こいつはご主人様じゃないと喜ばねえぞ」

「どうせ呼ばれるなら”ごしゅじんたま”の方がいいに決まってんだろうがクソが!」

「うわっ……」

 おいおいそこ、ドン引きするな。興奮するじゃないか……って僕本当に何言ってんだ。

 ほら、みんな黙ってしまったじゃねーか。

「……あっ、見えてきましたよ」

 ナイス城山。やっぱりお前はイケメンだよ。

 街に入る一歩手前までは何もない野原なのに、一歩踏み出した途端にコンクリートジャングルへと変わる不思議な街へと到着する。

 ……なんだかすっごい嫌な予感がするのはなぜだろう。



「やあやあ、最上の武器使オペレーターい君にグリッやけしターちゃんじゃないか」

 ……そこには、背中に翼を生やした馬鹿みたいな女が立っていた。

「おい、行くぞお前ら」

「はは、待ちたまえよ。今日は君たちとって有益であろう情報を持ってきたというに」

 何回か会ったことのある僕とメア以外は全員ぽかんとしている。二回目ごときじゃこいつを受け入れることは難しい。

「誰だっけこいつ」

 アスタが切り込んでくるが、出来れば話したくない。

 しかし、話さなければ何も進まない。気も進まないが、ここは話しておくべきだろう。

「こいつは高坂。ほら、現世に復帰戦の時に詳細のルールの記事を書いてたやつだよ。前もあったことある」

「二度目だが、ご紹介に預かった高坂だ。君は相変わらずいい男だね」

「アスタ=バルガスだ。俺の良さがわかるとはお前、只者じゃないな?」

 いや、それ自分で言うことじゃねーだろ。しかもお前はまだ思い出せないのか。

「んで、知ってると思うがこいつが榊、こっちは初めてだな。このイケメガネが城山だ」

「二人ともよろしく頼むよ。ふむ、君の周りにはどうやら美男美女が集まるようだね。いやぁ、君は順調にハーレムを築きつつあるようだ。もっと集める為にも体液を絞ってクヌギの木にでも塗りつけてみるかい?」

「ハーレムってなんだよ!幼女にもヒス女にも興味なんかねーよ!それにカブトムシでも取る気か!」

「おや、君は女なのだよ?アスタ君や城山君もハーレムに加わっていると考えるべきじゃないのかな?どうやら君は女の体にそろそろ心が順応してきたみたいだね。そんなことないとは言わせないよ?」

「うっ……」

 確かに最近、メガネをかけてみたり髪を縛ってみたりと楽しんでいる節はある。でも……。

「ははは。まあいいだろう。で、その情報というものだが聞きたいかい?」

「き、聞きたい……」

「素直でよろしい。実はね、私はアブソリュートエビルの隠れ家を知っているのだよ」

「なっ⁉︎」

 今なんと言ったんだこいつ。

 隠れ家を知っているだと?

「私は正義のジャーナリストだからね。悪は見逃せないのだよ」

 ただ、私には戦闘能力がないから、とその後に付け加える。

 だから、僕たちのような人間を焚きつけ、討滅させるのだ。

 なかなかどうしてお前も結構悪いじゃないか。

「……ま、いいか。教えてくれよ」

「いいだろう。場所は…………」


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