患い
朝食後、午前九時。
いつも通り城山が出かける。
僕とメアとエロガキ改めカルテットは、変装グッズを手に後をつける。
「お菓子は150円を守ったか?」
「……それ自分でつまんねっていってたやつじゃー……」
「うるせえ馬鹿!」
「楓が人のことを馬鹿と罵る時は決まって分が悪い時……」
「だから黙ってろよオオオオオオオ!」
化け物のような雄叫び、絶叫。
「お主はテンションの高低が激しすぎる……。精神病でも患っておるのか?」
メアが話し始める前、カルテットが僕から距離を置くいた。おおかた、発狂している僕と同じ目で見られたくないからだろう。そして、二人きりの状態で話を始める。
「おい、それはNGワードだぞ。ただでさえ僕は乖離性同一障害ってのを患ってる病人なんだからな」
「かいりせい?」
「俗にいう二重人格ってやつだよ。ほら、時々話に出てくるだろ?桜ってのが。あれが僕の二重人格のもう一人の方だよ」
「桜……。彼女は確か……。そ、それはお主にとってシビアな話題ではないのか……?」
僕を気遣ってか、口を濁す。しかし、そんな気遣いは無用だ。
「いいんだよ。あいつは今はまだ寝てるだけみたいだしな。エネルギーが溜まりきったら復活すると言ってた。ほら、僕の体も前より少し元に戻っているだろ?そんな感じだ。ま、体が残ってる僕と、死にきったあいつとじゃかかる時間が段違いらしいけどな。僕が老いて死ぬ頃にMAXまで溜まるとかなんとか」
「それでは無意味ではないか!」
「まあ待てよ。僕も前に一回頭ぶち抜かれて死んでんだぞ?でも、こんな不完全な体ながら復活できた。今まで言わなかったけどな、僕が生き返るちょっと前に変な爺さんが僕に触ったんだ。その後、復活してあの出落ちロボットをぶっ壊したんだよ」
「それはつまり……」
「生命エネルギーを充填できる奴がいるってことだ。多分、元の世界への帰還大会の時の死者が生き返ったのもそいつのせいだろう。お前は……知らないか」
「いや、知っておるぞ。1日目で他に殺された人間が次の日に殺した相手を殺して3日目には殺した相手に殺された奴がまたそいつを殺していたからの」
……僕が思っていたより、よっぽどカオスな状況になっていたようだ。
メアもその時相当混乱していたようで、 今のメアの様子と態度で察することが出来る。
「……話が逸れたな。僕は乖離性……だっけか?下手すると、双極性障害の疑いもある。多分お前が言ってるのはこっちだな」
「双極性障害……良くは分からぬが、元の話から察するにテンションに関係があるのか?」
「ま、こっちは多分違うと思うけどな」
中学生の頃に二重人格とかそういうのをかっこいいと思って、色々調べた甲斐があった。
こうやって他人にドヤ顔で話せるんだからな。
「ふむ……。なるほど、参考になった。ここで一つ言わせてもらっても良いか?」
「なんだ?」
「お主、人のことを言えないくらい中二病であろう」
「……そんなことねーよ馬鹿」




