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復帰

 視点をアスタにへと戻す。

 視点を戻した結果、その辺に置かれた僕はその辺に吹っ飛ばされて哀愁を漂う姿で、本当に死んでいるみたいだ。

 その後、間も無く榊達も到着し、戦線に復帰する。

 避難はいまだ完了しておらず、しかし、ロボットはもう近くまで来ており……。ちなみに、ロボットの正式名称はフレームナンバー00プロトタイプⅡ型改グラディアいうらしい。

 グラディアは少しずつ、少しずつ歩み、僕たちへと迫ってくる。今にも人を踏み潰しそうな勢いで。

「クソっ!まだ避難は終わってねーってのに‼︎」

「絶鬼流抜刀術…………」

「やめておくのだ。あのロボットに技を当てたところでネズミが爪楊枝を手に一升瓶へと立ち向かうのと同じであろう?」

「しかし……!このままでは……」

「わかってるっつーの。お前は飛んできた攻撃にだけ反応してろ。神速の絶鬼流なら、弾丸撃ち落とすぐらいわけねーだろ?」

「……はい。そうさせてもらいます」

 刀をもう一本増やし、二刀流の状態になる。

「絶鬼二連流一の型、かまえ

 絶鬼流には派生もあるのか。これは体術もある予感。

 構と呼んだその技はそのままの通り、構えを取る技のようで、カウンターの一種と思われる。

「レーハス、まだいけるか?」

「あ、後一発ぐらいなら……」

 今まで放たれてきたビームにほぼ全てを一人で対応してきたレーハスにも限界が迫っていた。

「一発か……その次が大変だな」

「きましたよ!」

 声に反応し、ガトリングと目からビームのフルバーストが行われようとしている現状を確認する。

「レーハス、頼む!後から俺たちがなんとかするから!」

「お、おーけーおーけー。はは」

 ふらりと立ち上がると、最後の力を振り絞って能力を発動。メアがサポートに回る。

 榊や他の面々は弾丸を壊していく主に榊の功績が大きいが。

「うわああああああああ‼︎」

 目からビームを受け止める。が、すぐに吹き飛ばされてしまう。メアが光を固めて受けためてはいるが、長くは持たないだろう。

 こんな時になにも出来ないのが歯がゆい。ぐったりと、ただその辺で寝そべってるだけの自分が憎らしい。何も出来ないだなんて。手遅れになる前に早くエネルギーよ、溜まってくれ!多分、本来は何十年とかかると思うが、都合良く、充電チャージ完了してくれ!

「…………君」

 ……なんだ?

 モニターに何やら顔を隠した老人が現れる。僕に話しかけてるのか?

「待っていなさい。すぐに蘇らせてやるからね」

 ……は?

 老人が僕の体にそうっと触れる。そして、僕の体は桜と一体化する時よろしく輝き始める。

「さぁ、行きなさい。君は君のやるべきことをすればいい」

 そう言うと、老人は歩き去ってゆく。……何者なんだ?

 ブラックルームがいつもの模様に変わり、いつもの如く崩れ始める。

「……なんかよく知らんが、生き返れるみたいだな」

 さ、目覚めの時間だ。



 俺がやるしかない。

 みんな、限界なんだから。



「城山、俺に攻撃を受け流せ!地面に流せば地割れなんてレベルじゃねえ!俺も頑張ってってみる!」

「え?ど、どう頑張……」

「いいからやれ!」

 今まで堪えていたが、メアの硬質光も砕け散り、避難中の人々へとビームが向かっている。

「やれえええええ!」

「は、はい!」

 城山が目からビームに面と向かい、手に持っている棒をビームへと突き立てる。棒の先端は消え失せてしまったが、城山の体を通じて、アスタへと流される。

「エルヴレイン!」

 エルヴレインを出し、ビームの衝撃を消し切ろうというのだ。ビームのままだと大きさが違いすぎて受け止めることは出来なかったが、ただの衝撃だけに変わってしまっているなら、消し切れないこともない。

 だが、その考えはあっさりとかき消される。

 そう、体力切れだ。

「ぐ、アアァァァアアアアアアアア‼︎」

 殆どかき消すことは出来たが、少し残ってしまったようだ。

「あ、あすたぁ……!」

 なんとか形は保っているが、体はボロボロ、地面に崩れ落ちる。

 これは……死んだか?

 視界がスローモーションに、地面が近づく。少し上を見上げると、自分向けて大きな銃が焦点を合わせているのが見える。

 ははは……。潮時、か?

 その時、後ろから足音が聞こえてくる。

 ……信じてたぜ?

「よくやってくれた。後は僕に任せてみろ」

 お前にかかれば一瞬で終わるだろうよ。

 頼んだぜ?楓。


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