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神の器  作者: 紅きtuki
3/16

第3話 「迷惑」

「えー夏輝いっしょに来れないの?」

セミが鳴く、暑い夏が始まり冷房の時代が来た今日この頃。

普通の人はする事がないなら、冷房の利いた部屋でゴロゴロすると思うが、

美月みずきはそんな事はお構いなしに夏輝なつきを買い物に誘う。


「わりぃなすることがあるんでな、あ……そうだついでに、お使い頼まれてくれねぇか?」

買い物を断ったうえ、お使いを頼むほど家を出たくないのだろうか? 

する事があるとはいえ、ずうずうしい奴である。


「お使い? 迷惑だな、いいけど……」

それを迷惑だと言い、引き受ける美月……俗に言うツンデレであろうか?

ツンデレであろうがなんであろうが、引き受けたことには変わりがない。

お人よしである。


「サンキュー、じゃあこれ金とメモ……よく考えたら初めてのお使いだな」

夏輝は笑いながら言った。


「だからついてきてほしかったに……まぁいいわ買い物ぐらいひとりで行けるし、……ばいばーい」

そう言うと軽快に走って行った。


「やれやれ……気をつけろよ……てゆうか、俺は毎日何回迷惑って言われれば気が済むんだよ!! 

あいつと出会ってからまぁまぁ経つけど、一日1回は言われるな・・・

まぁいい……ふふふそろそろ隠れてないで出てきたらどうだ? 今東さん!」



「えーと……何買いに来たんだっけ……」

そう言いながらあたりを見渡した


ひ、広い……こんなに広かったっけデパートって……

インターネットでしか見た事がなかったけど、ホントは広かったんだ。

あたりを見渡すと、フルーツの入ったバスケット、リンゴにバナナ、

それから見た事もない果物まで売られていた。ここはフルーツ置場のようだ。

奥にはお菓子がずらりと並んでいる。他には魚も売ってるし、調味料などの私生活に欠かせない物に

レトルトカレーや冷凍食品なども見られる。ただ一つ売ってない物があった。

ペット用品だ。美月の知っているデパートは必ずと言ってもいいほどペット用品が置いてあった。

ペットのエサはもちろんの事、おしっこシート。そしてペットの服まで売っていた。

もちろん情報源はインターネットだが……

んんー適当に見回ろうか。

ところで、この大勢の人の中にも神剣使いは、いるのかな……

大勢と言ってもしれている。走りまくっても絶対人には当たらないだろうと言う位しかいない。


そんな事を考えているときにぷ~んといい香りがしてきた。

ん? あ、あれは!? 骨付きカルビ!! 

私あれ大好物なんだよね!こんなとこに売ってようとは……


ダメダメ!!このごろ太ってきたからダイエット中だったんだ……

くそう……毎日のように夏輝からカロリーエイトを貰ってたから悪いんだ……

あれ1個800カロリーもあるんだよね……早く言えよ、おいしいけど……

うう……さらば骨付きカルビ!! 


は!!じゃなったお使い頼まれてたんだ!! 

メモメモ……ん? 

「何よこれ……なんで、ちゃんと言ってくれないかな……最悪!!」

最後に独り言を残し、美月は走った……




「く……今東、なぜこんな事をする? 目的はなんだ?」

と夏輝はボロボロの体で聞いた。


「目的? さぁ機関が考えることは分からないよ、ところで美月はどこへやった?」

今東は笑いながらそう言った


「美月か……やっぱり標的は美月か!! ふ、残念だったな、美月は俺が逃がした

それにあいつを監禁してたのはお前たちだろう!! なぜそんなことをする?」


「2度も言わせないでくれますか? 機関の考えることはわからないと言ったでしょう

それに逃がしたとは、やってくれましたね……あと、監禁? 何のことですか?」

そう言って今東は夏輝にとどめを刺そうとした


「待って!! なんで? ……なんで? こんな事をするの?」


「美月!何で戻ってきた!?」


「?? メモに書いてあったけど……」


「ハッーーハッーハッーハッーハッーハッーまさかそんな凡ミスをするドジっ子がいるとはね」

夏輝は顔を赤くしてうずくまっていた


「ほんといい迷惑だよ」

美月は呆れながらそう言った


「ねぇ、ほんといい迷惑ですよね? ですって夏輝さん」

夏輝は何とも言えなかった


「ふふ、ほんと、良い迷惑」

美月はそう言うと今東に襲いかかった


「な!? くっ……」

今東も必死に対抗したがあっさりと剣を弾かれ、跪かされてしまった


「あれ?おかしいな、レベル1の私がレベル5のあんたに勝てる訳ないんだけどな、奇跡起こしてしまったのかもね~」


「何たることだ……お前この前の時は本気じゃなかったな!?」

今東は額に汗をかきながら聞いた


「さぁね、自分で考えな!!」

美月はそういうと剣を振り、今東にむかって放電し、今東の気を失わせた


「すごい……不意を突いたとはいえ今のはレベル5ぐらいは軽くあったよ、いつの間にこんな力を?」

夏輝は唾を飲みながら聞いた


「さぁ? いつの間にかできるようになった」


夏輝は呆然としていた





冷房がほど良く利いたデパートの一角。美月と夏輝はショッピングをしていた。

しかし、めんどくさがりの夏輝がショッピングなどにつき合うとは、今東の件での償いとでも言うのであろうか。


「ところで夏輝、昨日聞き忘れたけど私に渡したあのメモは何?あと今東は何しに来てたの? ほんと迷惑だよね」

美月は服を物色しながら聞いた。


「そだな、迷惑だな、あと何しに来たかなんて俺が知ってはずないじゃん、一方的に襲われたんだよ。

それとお前に間違って渡したメモは機関からもらったものだ」

夏輝は服には興味無さそうに答えた


「機関はなぜ今東が私を狙ってる、ってわかったの?」

そう言えばそうだ、まさか機関には予知能力があるとでも言うのだろうか。


「知らねぇよ」

夏輝は頭をボリボリかきながら言った


「……まぁ、いいっか、じゃあ私に渡すはずのあのメモにはなんて書いてあったの?」


「骨付きカルビ」


美月はニコニコしながらも泣きながら黙って夏輝を蹴り続けた


「いてっ何で蹴られるんだよ、ちょ、おま、こうしてちゃんと買い物に付きやってんじゃないかよ」


「何の嫌がらせじゃい!! 骨付きカルビおごりだからね!! 迷惑かけた罰だから!!」


「なんでだよーーーーーーーーー」

ここら辺から、少しずつマシになってきましたね。

よかったよかった。

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