第4話 「学校」
「おい美月いい加減にしろよ、いったい何時になったら起きるんだよ!!」
夏輝はそう言いインターホンを連打した、これで1984回目である
それから1時間後、インターホンの連打数が3000回を上回った頃にやっと美月が出てきた
「あ、おはよう」
美月は目をこすりながら言った
「おはようじゃないよ、いったい何時間待たせる気なんだ?昨日あれほど言っただろう、明日はお前のとこ行くって」
夏輝は怒るのを通り越して呆れていた
「わかってるよ」
実は忘れてたけど……そうして夏輝を家に招き入れた。
そこで夏輝が見たものは機関から部屋を提供された時とはがらりと変わった、乙女チックな部屋だった。
美月がこんな趣味だとは思っていなかったらしい。
ぬいぐるみがあるのはもちろん、ベットにカーテンそして絨毯はピンクだった。
驚きが隠せないという顔をしていた。
しかし驚きながらも、夏輝は説明を始め出した。
「え~!?」
私はなぜか機関に属していて、この部屋の家賃もなぜか機関が背負ってるらしい。
私は夏輝が黙って払ってくれるとばかり思っていた。まさか機関持ちとはね~
一瞬でも夏輝をカッコイイと思って損した。
そんなことよりいつの間に機関に属したのか夏輝に問い詰めると私は以前から機関に属していたと言われ
その時、私は記憶を失っていたことを再認識した。
「と、いうことで私は機関のために働かないといけないってこと?」
夏輝に確認を取った
「そうそう話が早くていいね、美月にしてはおとなしく納得するんだな、俺はてっきり拒否されると思ったぜ」
「まぁね、私だって子供じゃないし」
というのも私は毎日が暇だったからかえって都合がよかった
あと、神剣の機関となれば神剣の事を知るためのチャンス、こんな一石二鳥な事は逆に逃せない
「と、まぁそういうことだからお前には学校に行ってもらう」
夏輝はカロリーエイトを食べ始めた
「え……!? 今何て……?」
「だから、近くのノサキ高校に行ってもらいたいと思ってな」
「急すぎよ!! ……ん? 待てよノサキ高校? ……高校!? 私14歳なんだけど!! いやいやそんなことより機関はなぜそんなことを?」
あれから、夏輝とは3時間ほど話し合ったが機関の目的……それは、ノサキ高校に偵察に行ってもらいたい、とのこと
機関によればノサキ高校には、今東をはじめとしたいろんな神剣使いがいるという。
高校なんて言ってるが、要は神剣使いの溜まり場ということになる。なので機関には気を抜くなと忠告された、夏輝を通して。
「まさか、私があのノサキ高校に行けるとは思ってもなかったな。」
「……すごくうれしそうじゃないか。ところで何でノサキ高校知ってるの?」
「それは……え~と……そう! 有名だからよ!」
こうは言ってるが美月は学校と言うものに憧れ、インターネットで調べていたようだ、
監禁されてた時も、そして監禁から解放された今でも。
その夢が叶ったからなのだろうか。顔からとても笑顔がもれている。
いや、嬉しすぎて笑顔が隠せないと言ったところだろうか。
それはそれは子供のように無垢で無邪気だった。
それから美月は時間が過ぎる事をただ待った。
……寝れない、明日から学校横を見ると制服……なかなか、かわいいと思う。
何といってもあのノサキ高校はお嬢様学校!男もいるけど……
てゆうか、あのお嬢様学校が神剣使いの溜まり場だったとはね……
それからというと私は結局ほとんど寝ることもなく登校した
夏輝と一緒に……てゆうか、夏輝も来るなんて聞いてなかったし、そのことを夏輝に問い詰めると、
言うのを忘れてた、の一言で終わらされた、まぁそれはいいとして、
あと1時間で登校ってところで寝てしまったところを夏輝に起こしてもらい、
遅刻しなくて助かったし、正直感謝はしている……しているけど、
「けど、合い鍵でずかずか入ってくるのはひどくない?それにその合い鍵をなんであんたが持ってるわけ?」
美月は怒りながらそう言った
「そうでもしないと、起きないだろ! 合い鍵はうん……そう……予備だ……ふふっ」
夏輝は唐突に笑い出した
「なにがおかしいのよ……」
「ぷっいやっ……お前のあの時の顔……あの寝顔……」
夏輝は顔を赤くし体を震わせ、笑いを必死に堪えながらそう言った。
「な!? な!? ……こんの!! 死ねやゴラァーーーーーーーー!!」
結局夏輝は私に顔と体中をボコボコにされて登校する羽目になった。
反省はしていない、後悔はしている。しかし
夏輝がずかずか入って来るまで寝ていた事は後悔しているが、
夏輝をボコボコにした事は後悔していない。
「いてててて…ついたぞ……いたたたた……」
ボコボコの顔でそう言った
「ふん、自業自得よ」
こうしてあーだこーだ言いながら学校に入っていく、美月と夏輝のボコボコの顔はとてつもなく目立ち
あっという間に有名人になってしまった。
そのあと顔がボコボコの夏輝と別れ美月が教室に入り自分の席を探し見つけ座った時に美月は声をかけられた
「ねぇねぇ、君……さっき顔がボコボコの彼氏と一緒に学校に入ってきた子だよね?
朝、不良に襲われた彼女を必死に守ったって噂だけど、どうなの? どうなの? とか聞いてみたり……」
誰だ、この子……なれなれしいな……いや……そんなことより、とっても、楽しそうに聞いてくる
この話の内容が妙に腹が立つ、けどまぁここは冷静に……
「彼氏? あいつが? んなわけないない」
「てっ……ことは……不良に襲われたところを助けられたのはホントなんだ!
通りすがりの救世主……かっこいいね! とか言ってみたり!」
なっ!? ウザ!? だけど言えない、私がボコボコにしたなんてやっぱり友達は第一印象が大事よね
学校に行くのは一日だけなら言ってもいいけど、夏輝が言うには機関がやめろと命令するまで、
学校に行かされるわけだから……ここはその事を内密にしとこう、うん
「何言ってんだ?俺をボコボコにしたのはこいつだぜ」
!? ……なに? こいついきなり現れて……しかもあっさり暴露しやがった!? さては朝の腹いせか!?
「しかも、こいつの寝顔ときたら、もう笑いもんだぜ」
!?!? なんで!? なんで、いきなり寝顔の話をするわけ!?
「えーーーー寝顔って一緒に暮らしてるんですか!? っと驚いてみたり!」
教室がざわめきだした
「一緒に暮らしてるっていうか、俺はいつも隣で寝てるぜ」
!?!?!? はぁ? それどうゆう意味!? こ・い・つ……
「隣で!? ってさらに驚いてみたり!」
教室の空気が変わった
「で、こいつ腹出して、ウサギの抱き枕抱えながら、よだれ垂ら……あ……」
この時夏輝は悟った……自分が過ちを犯してしまった事を……この後自分がどうなるのかを……
そして後ろから今までに感じた事のない殺気を……
この後夏輝は全治1カ月の怪我を負わされ、これから学校というのに入院をする羽目になった
「痛い?」
美月は顔を引きつりさせ、ニコニコしながら言った
「怖いよ、折角お見舞いに来てくれてるのにって、だいたい誰のせいだよ」
「元気そうだね~? そんなことよりよかったね~痛いで済んで……遺体にならなくて済んだんだから!」
そう言い夏輝を睨みつけた
夏輝は何も言えなかった
「……帰る、そんな事よりあんた責任とってよね、変な誤解を招いたんだから、
だいたい何よいつも隣で寝てるって隣に住んでるなら早く言いなさいよ」
それからというもの1ヵ月経った今も誤解は解けずこの二人はノサキ高校の名物になってしまった。
今考えれば、1時間もインターホン押し続けるとか、しつこすぎですね。




