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愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
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ダンスパーティー

樹と朝倉の完璧すぎる社交ダンスが終わった直後――

会場中が拍手と歓声、そして興奮のコメントであふれ返っていた。


「なあ……」「俺らも……」「やるしかなくない!?!?」


その場の配信者の一人が、ドレスの裾をつまんでちょいちょいステップを踏みながら叫ぶ。


「踊るぞーーー!!」


それを皮切りに、突然始まる踊り大会。

楽曲がポップなサンバ調に変わり、

ドレスやスーツやモビルスーツがステージを埋め尽くす勢いでステップを踏み始めた。


「リズム感どこいった!」「それ踊る気ないだろ!?」「なんで肩車!?」「モビルスーツ!回るな!」

コメント欄はお祭り状態。


そんな中で、朝倉は軽く息を整えながら、スッと立ち上がる。


「……ふふ。気分がいいし、少しだけ踊るか」


そう言って、今度は踊り慣れてなさそうな配信者の女の子に手を差し出す。


「レディ、俺と踊っていただけませんか?」


その静かな一言と、気品ある所作に、

相手は一瞬フリーズしたあと、顔を赤くしながらうなずく。


「こ、こういうの初めてだけど……お願い、します」


曲が跳ねるようなテンポに変わると同時に、朝倉は軽くステップを踏みながらリード。

女の子の方はぎこちなさが残るものの、朝倉が相手の動きに合わせて自然に補正していくので、

まるで踊れる人のように見える。


「朝倉、適応力バグってる」「ガチのレディ扱いしてて草」「目線誘導とか上手すぎて惚れる」「あの子、明日から人生変わるだろ」

とコメント欄でも絶賛。


一方その頃、樹の方も周囲に囲まれていた。


「ねぇ、ちょっとだけ、私も踊ってみたいんだけど……!」

「いいなー!ズルいぞ!」「俺も俺も!」


「はは、しゃーねぇな。気分いいし、いこうか。手、貸せ」


と、樹もラフに何人かを誘って踊り始める。


さっきの競技ダンスとは違って、今度はカジュアルなラテンステップや軽く体を揺らすようなリズムダンス。


「うぉ、先生うまっ!」「ちょっとリード強めでドキドキするんだけど!?」「背中に手まわすの反則」

「これが“年上の余裕”か……」とコメント欄がザワつく。


そして何人かと軽く踊ったあと、

樹が自分のグラスを取りにテーブルへ戻ろうとすると――


「おっと……そっち、混みすぎてて通れねぇな」

と、後ろから再び朝倉が現れる。


お互いに目線を交わし、無言で笑い合って、自然に再び踊り出す二人。

朝倉がくるくるとスピンしながらも、重心のブレないまま着地し、

今度は朝倉が樹をリードする側に回って、軽くからかうような笑みを浮かべる。


「……交代する?」

「悪くない」


周囲の配信者や視聴者はその光景に再び静まり返り、

コメント欄にだけ《え、さっきまで女役じゃなかった!?》《どっちも主役かよ》《見てるこっちが惚れる》と熱が上がっていく。


会場中が完全に「踊るバカと見るバカと、踊りたくてウズウズしてるバカ」だらけになり、

その夜は誰もが誰かと笑いながら踊るパーティーとなって続いていった。


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