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サルベージャーズ  作者: 偽七靴
1/1

救えなかった者と、救い続けた者の、やはり救う為の物語。

サルベージャー

英語の(salvager/救助する人)が語源である和製英語で、主に

日本国において超常現象、黒魔術などによって地球上には存在し

ない異世界に召喚されたり飛ばされたりした人間を強制的に元の

世界に帰還させる事を生業としている人間を指す言葉。


俺の名前は 丹沢心優たんざわ・しんや

サルベイジャーを10年やっている。


何の変哲も無い一般人が異世界に飛ばされてその世界を救う

なんて話を真面目に信じる奴は15年前まで、世界中のどこに

も居なかっただろう。

俺だって蟹が逆立ち腕立て伏せして力説したとしても絶対に

信じなかっただろうね。


実際に自分が飛ばされるまでは・・・


異世界の存在が証明された今じゃ「日本に残る稀人信仰や

一部の英雄譚も太古の日本に訪れた異世界人が神格化された

姿なのではないか?」という説を唱える者も居る。

だが所詮、異世界人が異世界の破滅を救うなんて話は

「異世界の人々の信じる迷信」でしか無かった…


結論だけを書く


「俺は5年間の異世界滞在の末、俺の一番大切な人を全て失い、

一番大切な人が何よりも救いたかった人々全員に地獄の責め

苦と死を与えた後、ノコノコと日本に逃げ帰った」


俺が偶然異世界に飛ばされてしまった後に起こった諸々の結

果だけを見るならば救う所か完全なる逆効果だった。

人間は産まれた世界の中だけで生きていくべきなんだ。

人はどんなに辛くても、どんなに絶望しても、藁など掴むべ

きでは無いのだ。


たかが「藁」になど絶体に奇跡は起こせないのだから。


憎むべき汚い「外来種」は異世界に絶望しか撒き散らせないのだから。


だから俺はサルベージャーをやっている。

だから俺はコイツが嫌いだ。

俺の信じる全ての統計を覆してコイツは異世界を救った。

この夢城心優ゆまぎ・しんやという男が俺は何よりも嫌いだ。

我慢ならない、同じ名前というだけで殺してやりたくなる。

7歳の時、墜落した飛行機ごと運悪く異世界人の戦場に飛ば

され両親を目の前で殺されたというのまで同じだ。


コイツがしかも今の俺の同僚と来てる。


結果として「8つの大陸と12億の人間と300億の魂を見殺しにした」俺と

結果として「3つの惑星の6つの大戦を終結させ47の種族を滅亡の危機から救った」コイツがだ。


狂ってやがる。


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