7. アソコが元気になるキノコ
魔王と飲み友ってどういうことだよ。
そう思いながら、ギルドでの初仕事を発注し、ハンター専用の門から外に出て、近くの森林にたどり着いた。
ハンターたちが仕事がしやすいように、一般の門とは別に、ハンター専用の門が存在する。
基本的にそこから出入りするのだが、その門を利用するには受注書を見せなければならなく、それが提出出来ないと、外に出ることが出来ない。
今回受注したのは、最低ランクのハンターが受注できる、薬草採取とゲンキノコの採取だ。
いや、ゲンキノコってなんだよ。
ハンターはFからSSランクの等級に別れており、最初は誰でもFランクからのスタートだ。
地道な所からスタートなのは分かるが、僕はSSランクを目指している訳では無いので、程よくお金を稼げればいいのだ。
ゆくゆくは田舎に場所を移して、農業でもしながらゆっくり暮らしたいな。
その足がけとして採取クエストを受注したのだが、意味のわからんこのゲンキノコ。
一本1000ゴールドで取引されているらしい。
そんな高価なキノコをFランクで受注できるなんて、絶対に裏があるはずだ。
ゲンキノコを見つけて売れば、それだけで田舎でスローライフが出来る資金が貯まる。
裏があろうがなんだろうが、ゲンキノコを見つければ問題はない。
でも何のために使うんだろうね。
滋養強壮とか含まれてて身体が良くなるのかな?
ゲンキって付いてるくらいだし。
それはそうと──
「魔王と飲み友ってなんなんだよッ!!」
「ふぇー?」
ちょうちょを追っかけていたナヴィがアホ面をかましてこっちを振り向いた。
「だから、なんで魔王と飲み友なの? 凄く気になって仕事出来ないんだけど」
「仕事中に私語とは良くないのだ。社会人であるなら分かるであろう」
「アホ面かましてちょうちょ追っかけてるお前に言われたくねえよ」
魔王と飲み友だってことをカミングアウトしたナヴィは、僕がいくら聞いてもまあまあとはぐらかしていた。
その場のノリで言った嘘だったらそれでいいのだが、もし本当だった場合の懸念点はある。
サランたちだ。
サランたちは魔王を討伐するために、僕をこの異世界に召喚させた。
なのに、僕は王城から逃げ、その上ナヴィは魔王と飲み友だって言うじゃないか。
もしこれが本当でサランたちにバレでもしたら──
「考えるのはやめよう」
思考をシャットダウン。
多分──本当に命は無いだろうね。
ちょうちょ追っかけてるバカが。
「ん? なんかスキルを習得したっぽいぞ」
僕はステータスを確認すると、スキル欄に鑑定のスキルが追加されていた。
これってもしかして──
「田舎でゆっくり暮らすなら必須スキルだぞ。よかったなカケル。魔王討伐とは関係無いスキルだ」
「だとしたらスケベ聖女は間違った人材を召喚してしまったな!!」
「「ガハハッ!!」」
もしかしたら、このスキルでゲンキノコが見つかるかもしれない。
ゲンキノコは希少価値が高いから見つけるのも一苦労だし、もしかしたら見つからないかもしれないと、誰かが言っていた。
一気にやる気が出てきたぞ。
「ところでナヴィ、ゲンキノコってなんなんだ?」
「知らないのか? 食べるとアソコが元気になるキノコだ」
ただの下ネタじゃねえか────
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